国際詳細

News Navi
loading...

北朝鮮 朝鮮半島「非核化」協議に先手か 訪中の金正恩氏「したたか外交」

2018年4月15日号

「非核化」に北朝鮮が慌てた――。3月末に中国を非公式訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の思惑を巡り、こんな見方が広がっている。

「電撃訪中」の端緒は、米ホワイトハウスが発表した大統領補佐官(国家安全保障担当)人事だろう。トランプ大統領が指名したボルトン元国連大使はブッシュ(子)政権時代、イラク戦争に深く関与するなど外交面で強硬派と目される人物。軍事力による世界の民主化を狙う新保守主義派(ネオコン)の代表格だ。
 北朝鮮が気にしているのは、ボルトン氏の「北朝鮮との対話には本題から入る」という発言だ。本題とは、CVID(完全かつ検証可能で後戻りできない核廃棄)のこと。自身の主張を通そうと、トランプ大統領に金委員長との会談を進言したようだ。
 4月27日の南北、さらに5月中に開催見通しの米朝の両首脳会談では、朝鮮半島の非核化を議題とするのは避けられまい。だが、北朝鮮がこれを真剣に考えていなかったフシがある。3月20、21日にフィンランドのヘルシンキで行われた米韓朝3カ国の専門家らとの「トラック1・5協議」でも、北朝鮮側の参加者は「非核化は議題にならなかった」と発言していたほどだ。
 だが、同22日に先述した人事が発表されると、「あのボルトンが」と金委員長は思ったかもしれない。ボルトン氏のこれまでの言動を考慮すれば、米朝首脳会談でCVIDを迫られることは容易に想像できただろう。ならば、冷え込んでいた中国との関係を修復しようと習近平国家主席に接近し、米中対立に持ち込んで非核化を曖昧にする――。そう考えた金委員長が先手を打った、と考えればどうか。
「米国への牽制(けんせい)」「朝鮮半島の現状維持」を目論(もくろ)む中国にとっても、北朝鮮との関係修復は望ましい。いずれにしろ、東アジア情勢は北朝鮮の意のままに進んでいる。北朝鮮のしたたかな外交戦略に、日本は付け入る隙(すき)も、その力もなさそうだ。
(浅川新介)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

コラム