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金正恩から「老いぼれ狂人」発言 北朝鮮で噴出する対米「辱」攻撃

2017年10月15日号

 朝鮮語に「辱」という言葉がある。悪口や罵(ののし)りを指し、相手を強くけなす時に使われる。朝鮮半島の人は喧嘩(けんか)っ早い。手は出さないが、言葉の応酬で相手を打ち負かそうとする傾向がある。今の米朝関係を見ていると、その"本領"が発揮されているかのようだ。
 米国のトランプ大統領は9月の国連総会で北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対し「ロケットマン」と揶揄(やゆ)した。対する北朝鮮は、国務委員長(金正恩)名義という非常に珍しい形で声明を発表、トランプ大統領に対し「老いぼれ狂人」と罵倒した。国家元首同士が交わす言葉とは思えない。
 そればかりか、国連総会に出席していた李容浩(リ・ヨンホ)外相が国務委員長声明にある「超強硬措置」について、「太平洋上で水爆実験を行うということではないか」とまで言及した。
 だが、冷静に考えてみると、太平洋から離れた北朝鮮が水爆実験をやれるのか甚だ疑問だ。かつて米国などが行った船上などでの爆発か、核弾頭を装着した弾道ミサイル発射実験をするしかない。いずれも非現実的な話だ。
 金委員長とすれば、むしろ「辱」のやりとりを楽しんでいるのではないか。なにしろオバマ政権時代の8年間、「戦略的忍耐」政策で米国と話をしたくてもできなかった。ところがトランプ大統領はツイッターで北朝鮮にたびたび言及、揚げ句は演説による肉声で北朝鮮にメッセージを投げかけた。「辱」を発したのが米国ならば、金委員長にとって相手に不足はないだろう。
 国務委員長声明以降、北朝鮮からは米国に対して、「辱」が相次いで出されている。北朝鮮内の各種団体が発表する声明では、米国人を「食人種」と攻撃している。農業関係団体が出した声明には「家畜にも劣る昆虫」「毒キノコ」という言葉が躍るほどだ。
 米大統領と対北圧力で歩調を合わせる安倍晋三首相も、そのうち「辱」を受けるかもしれない。
(浅川新介)
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