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「分断国家」米国を浮き彫りに? 映画「風と共に去りぬ」上映中止

2017年9月17日号

 8月に米バージニア州シャーロッツビルで起きた白人至上主義団体のデモに対抗する人々に車が突入した事件は、米国の分断を一段と浮き彫りにした。その影響が、文学や芸術の分野にまで及んでいる。
 テネシー州メンフィスの映画館で、過去34年にわたって年1回のペースで続けてきた名作映画「風と共に去りぬ」の上映を今回限りで「取りやめる」と発表したのだ。理由は南北戦争前の時代を描いた映画の中で黒人差別ととられる描写が見られるためだという。
 米国南部では現在、南北戦争の英雄の像が次々に撤去されている。これにも「歴史的なモニュメントであり人種差別とは関係ない」との反対論に対し、「白人によって歪(ゆが)められた歴史の象徴」という擁護論がある。
「風と共に去りぬ」上映中止問題についても、「映画は作り物の世界であり歴史ではない」「南北戦争前の米社会の風俗を描いたもので上映すべき」との意見がある半面、「時代遅れで差別用語が頻繁に出てくる映画であり、忘れ去られるべきもの」と映画の封印を求める声まで。ちなみに「風と共に去りぬ」は物価上昇率などを考慮に入れると「米歴史上で最も稼いだ映画」だと言われている。
 問題は、今回の上映中止に絡み、他の映画や文学作品までが忘却される可能性があることだ。児童文学で名高いマーク・トウェインの作品も黒人差別的な表現があり、西部劇の大半は先住民差別と糾弾される内容を含んでいる。
 一方で、この騒ぎで再注目を集めているのが主演のビビアン・リーだ。彼女が持っていた映画の台本、日記、手紙などが次々にオークションに出品され、話題となっている。マリリン・モンローと並んで米国人にとっての永遠のアイドルであるリーだが、今回の上映中止の騒ぎを雲の上から複雑な思いで眺めているかもしれない。
(土方細秩子)

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