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白人主義抗議で衝突、1人死亡 トランプ大統領発言で分断加速

2017年9月 3日号

 8月12日、米社会を震撼(しんかん)させる事件が起きた。白人至上主義者と反対派の市民との間で衝突が起きたバージニア州シャーロッツビルで、反対派の群集に自動車が突入、1人が死亡、35人が負傷した。
 同地ではこの日、南北戦争で南部連合を率いたリー将軍の銅像撤去に反対するデモが行われていたが、ネオナチを標榜(ひょうぼう)する団体などもあり、反発する市民との間で暴力行為に発展していた。その中でジェームズ・フィールズ容疑者(殺人容疑で逮捕)の車が市民に突っ込んだのだ。
 米国では今年に入り、「ホワイト・ナショナリズム」と呼ばれるこうしたデモが全米で行われている。だが、今回のような事態は初めてだ。
 問題は、トランプ大統領の対応にある。事件当日、大統領は「多くの側から憎悪、偏見、暴力が示された」と批判したものの、白人至上主義については言及しなかった。
 大統領発言に対する批判が沸騰する中、14日になって大統領はようやく白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」やネオナチを非難する声明を出したものの、時すでに遅し。大統領の諮問機関である米国製造業協議会では同日、委員を務めた製薬大手メルクの最高経営責任者(CEO)、ケネス・フレージャー氏をはじめ、スポーツ用品大手アンダーアーマーや半導体大手インテルのCEOらが次々に辞任した。
 トランプ大統領は「一方は暴力的だったがもう一方も決して平和的ではなかった。誰も言わないことを私が言っただけ」と怒りを露(あら)わにしたものの、同協議会を解散する決断に追い込まれた。
 分断が進む米社会。オバマ元大統領は事件について「誰も肌の色や生いたち、宗教などにより人を憎むようには生まれていない」とツイッターでつぶやき、ツイッター史上最高数の「いいね」を獲得した。米国は、この差異を埋められるのか。
(土方細秩子)

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