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集中連載第2回 チキンレース 米朝戦争勃発の確率=富坂聰

2017年5月 7日号

東アジア・クライシス

 ◇それでも北朝鮮を「温存」したい大国の思惑

 いよいよ緊迫の度を増している東アジア情勢。挑発を繰り返す北朝鮮に対し、「全ての選択肢がテーブルの上にある」という米国は、どこまで本気なのか。そして朝鮮半島の"塩漬け"論とは―。連載第2回は、凄絶なる国際政治の現実を中心にリポートする。

 米中首脳会談のさなかに地中海からトマホークミサイルを発射しシリア・アサド政府軍を攻撃したトランプ大統領の行動は、日本人に朝鮮半島での有事が現実であることをイメージさせた。
 その直後、空母カール・ビンソンが予定を変更して北上したというニュースが伝わると、メディアはさらにギアを上げて開戦の可能性を指摘し始めた。
 だが私は、米軍による先制攻撃の可能性はそれでも低いと考えている。連載1回でも書いたように、トランプ政権からは強硬発言が次々と飛び出す半面、その裏側ではオバマ政権時代には考えられなかった柔軟な姿勢も見せており、話し合いの前提もかつてないほど低い条件が示されている。
 現状、北朝鮮の出方という最大の変数は残されているが、当面は中国を中心に話し合いの可能性を探る動きが加速していくはずだ。
 一方で気になったのが日本だ。なかでも「政権に近い」ジャーナリストが、トランプ大統領が安倍首相に耳打ちした重要情報のように米軍の意図――米国が本気だという――を解説し続けたことだ。
 米軍にとって自軍兵士の生死に関わるそんな重要な情報を、日本だけに特別に伝えてくると日本は本気で信じているのだろうか。
 同盟国であっても、例えば中国の原子力潜水艦の動きなど、本当に機微に触れる情報は、米軍が把握していても日本の自衛隊に伝えてくることはない。自衛隊はまだしも、さらに信頼されていないのが永田町だ。国際政治の場面では、1971年のニクソン・ショック(注1)など、日本はこれまで何度も米国から煮え湯を飲まされてきたが、そのたびに米側が持ち出すのが「日本に話せば事前に情報が漏れる」という説明だ。

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