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金正男氏殺害事件から1カ月余 囁かれる「張成沢氏粛清余波」説

2017年4月 2日号

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害されてから1カ月余。「2013年末の張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清の余波だと見ていい」。殺害動機を巡るこんな分析が、韓国を中心に広まりつつある。
 当時、ナンバー2だった張氏と金正男氏は近い関係にあった。自らの権力基盤を確実にするためには、張氏の影響力を徹底的に排除する「粛清」が必要だ。金党委員長がそう考え、殺害を指示したのは間違いないというのだ。
 さらに、韓国とマレーシアでは今、次のような事件の「真相」が囁(ささや)かれている。
 金正男氏殺害直後の2月下旬、北朝鮮から1枚の写真が流された。金党委員長がひどく不機嫌な様子を撮影したものだった。「『殺害を指示したのは確かに私だが、なぜ、いまさら......』という気持ちが、思わず顔に出たのだろう」(北朝鮮ウオッチャー)
 というのも、殺害を実行したのは北朝鮮の国家保衛省だが、殺害の指示自体が13年当時から出されていたという。とはいえ、金正男氏は"ロイヤルファミリー"の血筋でもあり、容易には手を下せない。この北朝鮮ウオッチャーによると、当時から同省は金正男氏を「すでに権力体制には何の危険性もない」と見ていたという。だが昨年11月、同省に政権中枢による検閲が入った。その過程で"宿題"を実行するよう求められ、ついに重い腰を上げた――。
 実は、事件を最大限に利用したのは韓国の情報機関だった。殺害当日から韓国発の情報をまことしやかに流してきた。朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾判決が出る2日前には、金正男氏の息子であるキム・ハンソル氏のビデオをネットに流し、北朝鮮犯行説をアピールした。
 5月9日の韓国大統領選では、それまでの反北朝鮮・保守政権から革新・親北への転換が確実視されるため、情報機関が保身のために今回の事件を有効に使おうとしたのは明白だ。大統領選を前に、北絡みの新たな事件が起きそうな気配がある。
(浅川新介)

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