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国連の追加制裁は効果なしか? 活発化する北朝鮮の対中国貿易

2017年2月26日号

 北朝鮮への制裁には、やはり抜け道があったようだ。
 2度の核実験、数回にわたるミサイル発射など、2016年に国際社会への挑発を行い、国連による追加制裁を受けた。貿易全体の9割近くを占める中国も、今回の制裁実施に表向きは同調、一部品目の取引停止も打ち出した。
 北朝鮮にとって苦しいのは、石炭などの豊富な鉱物資源の輸出が制限されている点だ。特に品質のよい無煙炭の輸出が4億ドル(約448億円)、あるいは750万トン以内に制限された。北朝鮮が貿易で稼ぐ外貨の3分の1は無煙炭が「原資」とされるからだ。
 だが、制裁後の中朝間の貿易統計によると、16年の無煙炭の取引は、北朝鮮の中国への輸出が増えている。たとえば16年9月~12月では、179万トンから200万トンに増加している。無煙炭を自国の発電用に使用する中国は、実は無煙炭輸入の85%を北朝鮮に依存している。
 そればかりか、無煙炭の取引価格は同9月の1トン当たり46・2ドル(5185円)から12月の83・9ドル(9416円)にまで上昇している。中国側が発電という実需を当面満たすために、経済制裁にもかかわらず輸入を増やしたと推測できる。
 中朝貿易全体を見ても、16年は前年比で増えている。中国の対北朝鮮輸出が31・9億ドル(3580億円)で前年比約8%増、北朝鮮の対中輸出が26・3億ドル(2950億円)で同約6%増。16年下期から強化された対北朝鮮経済制裁とは、現時点で効果はなかったといえる。
 北朝鮮が新たな核実験などを行えば、さらに制裁が強化される。中国は今以上に国際的な立場が悪くなることは避けたいため、中朝貿易は16年以下の規模になる可能性が高い。ただし、国連制裁決議には民生用や人道支援といった例外規定が含まれ、「制裁逃れ」は十分に想定できる。核開発などの「暴走」を止める手立ては、容易には見つからない。
(浅川新介)

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