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釜山「少女像」で日韓合意破棄? 次期大統領選で争点化の可能性

2017年1月29日号

 韓国の対日外交では、ゴールポストがよく動く。歴史問題など日韓間には懸案事項が多いが、過去にも、日韓で合意に至った後、韓国側から一方的に反古(ほご)にされたことがある。今回もまた、動いた。
 2016年12月、韓国・釜山の日本総領事館前で、市民団体が慰安婦を象徴する少女像を設置した。これに日本政府が反発し、17年1月に駐韓大使と釜山総領事を一時帰国させるなどの対抗措置をとった。15年12月の慰安婦問題を巡る日韓合意に反する行動と判断したためだ。
 日韓合意では、ソウルの日本大使館前に11年に設置された少女像を巡り、「適切な解決に努力」としたが、少女像の撤去が実現しないまま、逆に1基増えたことになる。日本側は少女像設置が在外公館の「安寧と尊厳」を侵害し、韓国側がウィーン条約に違反する行動と指摘している。
 だが、韓国側は「なぜ反発するのかわからない」との姿勢を崩していない。
 16年12月の弾劾訴追案可決で職務停止中の朴槿恵(パク・クネ)大統領は、18年2月の任期満了を待たずして罷免、または辞任する公算が大きい。そのため、17年12月に予定されていた次期大統領選挙への出馬を名乗り出ている候補者たちは、一様に「日韓合意破棄」を叫んでいるのだ。
 現時点で人気ナンバーワンの候補予定者である「共に民主党」前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏は、合意破棄・再交渉を叫んでいる。1月に韓国に帰国したばかりの潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長も「慰安婦合意は不十分」と言い始めた。
 朴大統領のスキャンダルの余波で、与党「セヌリ党」は次期大統領選では野党に転落する可能性が高く、一様に「合意反対」を叫ぶ現在の野党候補のいずれかの政権が誕生しそうだ。そうなれば、慰安婦問題や歴史認識、竹島領有問題などが再燃するのは間違いない。「法より情」の国民性は、いつまでたっても変わらないようだ。
(浅川新介)

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