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朴大統領のアキレス腱だった? 北朝鮮の"涙"カードはお蔵入り

2017年1月 1日号

2016年12月9日、弾劾訴追案の可決で職務停止となった韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領。弾劾が妥当かどうかは憲法裁判所が審理するが、結論は180日以内に出すものと憲法で規定されている。朴氏は17年4月末に辞任するとしているが、裁判所の判断が4月末の前に出るか後になるか、朴氏が本当に4月末で辞めるのかは、見通せない状態だ。
 こんな状態を半分喜び、半分は苦々しく思っている国がある。北朝鮮だ。韓国内で騒動を起こし、現政権に衝撃を与える。これこそ北朝鮮がやりたくてたまらない「工作」の一つだ。それがうまくできないまま、現在の状況になってしまったことは北朝鮮にとっては複雑な気分だろう。
 というのも、北朝鮮には朴政権を十分に揺るがしうるカードがあった。02年、朴氏の訪朝。この時、朴氏は故・金正日(キム・ジョンイル)総書記に涙を見せたというのだ。
 父親だった朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の業績を称(たた)えた金総書記に対して朴氏は予想外の称賛に感極まって涙を流し、朴氏もまた北朝鮮を礼賛する内容の言葉を返したという。
 15年ごろから北朝鮮に対し強硬な発言を続け、「統一のチャンス」と北朝鮮の崩壊を予見するようなことまで言ってきた朴氏にとって、この平壌(ピョンヤン)での行動は申し開きできず、反北朝鮮的な性向を持つ支持者にとっては衝撃的な内容であることは間違いない。
 北朝鮮側は「"涙"カードを何回か出そうとしていたのは事実だが、完全には出せないままだった」(韓国・統一省関係者)。北朝鮮がカードを切る前に、朴氏は自滅した。
 韓国政界はすでに次期大統領選挙に向けて動き出した。下馬評では、北朝鮮に融和的な政策を続けた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の側近で最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が有力だ。彼自身も北朝鮮に対しては盧元大統領と同じスタンスだ。いずれにせよ、朝鮮半島は不透明感を増している。
(浅川新介)

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