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キューバ 反核を貫き、被爆者に寄り添う 引き継がれるカストロ氏の遺志

2016年12月18日号

 キューバ革命(1959年1月)を主導したフィデル・カストロ前国家評議会議長が11月25日、死去した。享年90。親米バティスタ政権を倒し、米国の植民地同然だったキューバをアルゼンチン出身の医師チェ・ゲバラ(1928~67年)とともに解放した革命の英雄は、死の間際まで核兵器の廃絶を訴え続けていた。
「人類はこのような経験を二度と繰り返してはならない」
 これは、カストロ氏が2003年の訪日の際に、広島で記帳した言葉だ。そしてこの訪問を勧めたのがゲバラだった。1959年に広島を訪れたゲバラは、原爆被害の大きさに衝撃を受けていた。
 米ソの対立が深刻化し、世界が核戦争の瀬戸際に立ったキューバ危機(62年)を経験しただけに、被爆者に寄り添い、核廃絶を希求するカストロ氏の姿勢は徹底していた。
 2010年と12年の2回、キューバを訪れた広島・長崎の被爆者らと面会し、その時の思いを共産党機関紙にたびたび寄稿していた。5月に広島訪問したオバマ米大統領が謝罪しなかったことには「原爆投下は犯罪的な攻撃だ」と容赦しなかった。昨年5月の岸田文雄外相、今年9月の安倍晋三首相との会談でも、カストロ氏は核兵器の恐ろしさについて熱弁を振るった。
 キューバ留学中の医学生らに体験を語るため同国入りした被爆者7人との面会が10月に内定したが、ポルトガル大統領との会談のため今回は実現しなかった。代わって面会した、ナンバー2のディアスカネル国家評議会第1副議長も6月に広島を訪問している。同氏は席上、東京五輪(20年)出場のために訪日するキューバ選手団の被爆地への訪問などを表明したという。
「キューバ諸国民友好協会(ICAP)」によると、カストロ氏は「医学生が大きな影響力を持って出身国に伝えてくれるだろう」と語ったといい、ディアスカネル氏の提案についても大いに喜んでいた。カストロ氏の遺志は、これからも受け継がれていくに違いない。
(臺宏士)

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