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台湾新政権に不満を募らせる? 馬英九前総統「再登板」説が浮上

2016年12月 4日号

今年5月に2期8年の任期を終えたばかりの馬英九・台湾前総統(66)が、所属する最大野党・中国国民党(国民党)主席への返り咲きを狙っている――。台湾で最近、こんな報道があった。大役を果たし、政治家としては第一線を退いたはずの馬氏の周辺で、何が起きているのだろうか。
 馬氏は総統時代、中国との融和路線を推進した。台湾を訪問した外国人は昨年、初めて年間1000万人を突破したが、約55%を中国人(香港・マカオ含む)が占めた。中台蜜月関係の結晶が、昨年11月にシンガポールで実現した馬氏と習近平・国家主席のトップ会談である。
 しかし、総統選挙の2カ月前に唐突に行われた歴史的会談も、大きな成果をもたらさず、今年1月の総統・立法委員(国会議員)のダブル選挙で、国民党は現与党・民主進歩党(民進党)に大敗し、"完全野党"に成り下がった。
 馬氏の後を継いだ蔡英文総統(60)に対し、中国側は「中台は一つの中国」と認めることを交流継続の条件としている。だが、蔡総統は中台が対等であることを前提に、「中国が中華民国(=台湾)の存在を直視する」ように求めている。中国側に簡単に譲歩せず、関係の冷却化もいとわない構えだ。
 このため、馬氏は自ら築いた政治的レガシー(遺産)を現政権が否定していることに不満を募らせている。また、総統退任後に国民党内での影響力を急速に失ったことにも合点がいかないのだという。
 その馬氏について、国民党寄りの地元紙・中国時報は「自身と国民党の将来を一体化させることで、党内で一定の発言権と影響力を維持したいのではないか」と見ている。
 国民党は次回20年の総統選挙での政権奪回を望んでいるはずだが、2期目を目指すであろう蔡総統に対抗し得る人材に乏しいのも事実だ。党勢の低迷が続けば、消去法で馬氏の出番がやって来るかもしれない。
(志村宏忠)

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