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米国 ボブ・ディランは丸くなった? 「ノーベル文学賞授賞式に出る」

2016年11月20日号

 日本では「今年こそノーベル文学賞は村上春樹に」という期待があったが、受賞したのは意外にも米シンガー・ソングライター、ボブ・ディラン(75)だった。「彼の歌詞に込められたメッセージを評価する」というスウェーデン・アカデミーにとっては「既存文学への物言い」とも言われた選択だった。
 しかし、ディランは受賞発表後、沈黙を守っていた。スウェーデン・アカデミーとも直接連絡が取れない事態が続いていたといい、アカデミー側からは「無礼で傲慢」との声が聞かれたほどだ。
 沈黙の理由はさまざまに臆測された。米国人がノーベル文学賞を受賞したのは1993年のトニ・モリソンが最後で、以降同アカデミーは「米国には文学は存在しない」かのような態度をとってきたが、応答しないのはそれに対する抗議。あるいは敬愛するフランスの哲学者ジャン・ポール・サルトルに敬意を表し、彼と同様に拒否する予定......。楽曲と同様に本人も難解な人物だけに、何かにヘソを曲げているように映る。
 ところが受賞発表後2週間が過ぎた10月29日、ディランは英『テレグラフ』紙のインタビューに答え、「12月のアカデミー授賞式には多分出席する」と、賞を受け入れる意向であることを初めて明らかにした。ディランはアカデミーにも電話し「言葉が出ない。このような栄誉にとても感謝する」と述べた、という。
 だが、気難しいので有名なディランだけに、最後まで分からない。反権力を歌った歌詞も多く、日本では70年代に「学生街の喫茶店の片隅で聴く」のが似合っていたディランの曲だ。自らが権威となることを嫌う気持ちは根底にあるようだ。
 ディランには逡巡(しゅんじゅん)の末、米ピュリツァー賞の特別表彰を受けた過去もある。米アカデミー賞にも中継ながら登場するなど、21世紀になって「人間が丸くなった」ともいわれる。12月の授賞式に本当に姿を現すのか、最後まで気を揉(も)ませている。
(土方細秩子)

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