中国は今後10年間に国内で原子炉を60基以上増設し、「原発超大国」への道を歩む─。国策原発メーカーの国家核電技術の鄭明光・副総経理がこのほど明らかにした。
世界原子力協会(本部・ロンドン)によると、中国では稼働中の原発が35基あり、総発電容量は約32ギガワット。建設中の20基を含めると55ギガワットに上り、米国、フランス、ロシアに次ぐ世界第4位となる。中国国務院(内閣)は2020年末までに、計90基前後、58ギガワットに増強する計画だ。
国際原子力機関(IAEA)が「世界に比類がない」と評するほど急速に中国が原発建設を進める背景には、大気汚染の要因となる化石燃料への依存度を低下させるためであるのと同時に、新興国・途上国向けの原子炉輸出で主導権を握りたいとの狙いもある。
中国は今年、サウジアラビアやアルゼンチンと原子炉輸出の覚書を結んだほか、9月には英国のメイ首相から英国内での原発新設計画の承認を得ている。
とはいえ、"トイレのないマンション"とも揶揄(やゆ)される原発の急激な増設には、放射性廃棄物の処理という課題もある。使用済み核燃料の再処理施設の建設候補地として浮上した江蘇省連雲港市では、8月に市民数千人が反対デモを繰り広げたため、市当局が選定作業の一時停止を発表したばかりだ。
こうした事態を受け、原子力政策を担う国家エネルギー局は9月、原発管理条例の草稿を公表。各地での原発建設にあたり情報を積極的に開示することや、地元住民の意見を取り入れて理解を得る考えを示した。
一方、中国の原発を最近調査したIAEAの専門家チームは、老朽化した原発への対応では「一層の努力が必要」と指摘した。
沿海部を中心に増え続ける中国の原発。ひとたび事故が起きれば、日本にも影響が及ぶ可能性がある。決して「対岸の火事」ではない。
(志村宏忠)
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