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中国「一人っ子政策」の副作用か 子を失った「失独者」の介護問題

2016年9月18日号

 人口抑制のために導入され、昨年10月末に撤廃されるまで「一人っ子政策」が約36年続いた中国で、「失独者(失独家庭ともいわれる)」の介護が社会問題となっている。
 失独者とは、病気や事故で一人しかいない子どもを失ったり、重度の障害などで働くことができない成人の子を持つ高齢の親を意味する。子が老いた親の面倒を見る風潮が根強い中国では、子を失うことは親の介護問題に直結する。
 中国・衛生部(厚生労働省に相当)によると、子を失った高齢世帯は2010年時点で既に100万世帯を超えていた。加えて、中国の民間団体の調査では、失独家庭は毎年7万世帯以上のペースで増えているという。昨年5月と今年4月に千人単位の失独者が衛生部に押し寄せ、法的な補償を求めて陳情した。
 ただし、失独者に対する補償は自治体で異なる。毎月数千元を支給したり、一回限りの給付金として10万元(約150万円)を支給する自治体がある一方、多くの自治体は給付額として最低レベルの月340元(約5000円)しか支給していないという。
 日本と同様に中国社会の高齢化問題は待ったなしだ。
 人力資源社会保障部の発表では、中国の60歳以上人口は14年時点で約2億1000万人で総人口(約13億7400万人)の約15%。人口の21%以上を60歳以上が占める超高齢社会に突入するのは2035年ごろと予測されている。
 こうした中、中国初となる失独者専用の介護施設の設置が決まった。北京市第五社会福利院はこのほど、初回の入居者として10人を受け入れることになった。年齢は最高が81歳、最低が71歳。10人のうち6人が夫婦だ。北京市が失独者専用の介護施設を開いたのは、失独者の多くが子どものいる高齢者との同居を望まないことに配慮したためだ。
 同福利院は今後、子どものいる高齢者を受け入れず、失独者専用の介護施設になる見通しだ。
(志村宏忠)

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