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台湾政界で"サプライズ"人事 35歳異色のデジタル大臣登場

2016年9月18日号

 台湾政界で仰天人事が発表された。閣僚としては史上最年少、学歴は中卒。さらには、男性から女性へ性別適合術を受けたトランスジェンダー大臣が10月に登場する。

 任命されたのは唐鳳さんで、現在35歳。役職は「デジタル総括政務委員」で、政務委員とは日本では大臣に相当するため、さしずめ"デジタル担当大臣"か。唐さんに与えられた肩書は既存省庁の大臣ではないが、ITで政府と国民の発展と産業界のイノベーションを促進させるという蔡英文政権を支えるポストだ。
 話題性十分の唐さんだが、実力も申し分ない。IQ(知能指数)は180。あまりの学力の高さゆえに、台湾の教育体制では逆に落ちこぼれた。そのため、唐さんは14歳で通学するのをやめたという。
 その後、コンピュータープログラミングに関心を持った唐さんは16歳で起業。「パール」などオープンソースのプログラミング言語の普及と発展に貢献したというのが、世界のIT業界での評価だ。その後も、台湾のIT企業はもとより、米アップル社のコンサルタントも務めたことがある。
 さらに唐さんが高い評価を得たのは、ITと政治をつなぐことを実現したことによる。インターネットのサイト上で政府が公開した情報を精査し、政策などを市民にわかりやすく紹介した。「台湾の民主主義に貢献したことは間違いない」(台湾紙記者)
 政権交代を果たした蔡総統だが、総統選では若者から強く支持された。蔡総統にとって、若きIT実力者で性的マイノリティーでもある唐さんの起用が、偏見など台湾に残る悪弊の改善につながるのではないか、と期待されている。
 だが、いまだ旧態依然とした台湾政界で、唐さんのような人材が十分に能力を発揮できるかどうかは不透明。新しい政治を切り開くために、そうした環境を整えることも重要だ。サプライズ人事以上に、蔡総統の手腕が問われることになる。
(浅川新介)

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