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したたか庶民の「投資も永住も」 中華圏「日本不動産」爆買いの裏

2016年8月 7日号

 中国、台湾などから日本の不動産を購入する動きが活発化している。世界3位の経済大国であるうえ、カントリーリスクが少ないことが大きな理由だ。最近では富裕層に加え、中流層が日本のマンションや戸建てを投資目的で買う傾向があるという。
 台湾のケースをみてみよう。
 台湾の最大手百貨店に勤め、日本への留学経験もある黄雅菁さんによれば、購入した不動産で賃貸収入を得るケースが多いようだ。「台湾で貯蓄しても、台湾の銀行の利子は約1・2%。でも、日本の不動産投資利回りは3%。貯蓄するより日本の不動産を購入した方が利益が出る」(黄さん)
 さらに、台湾は経済成長が鈍化する一方、不動産価格は高騰してバブルの様相を呈している。台湾人の平均年収は日本の半分~3分の2程度とされるが、台北市周辺のマンションは日本円で3500万~8000万円と、庶民には手が届かない。こうした状況も中流層が日本の不動産に関心を寄せる要因になっている。
 6年前に日本市場に参入した台湾の大手不動産会社「信義房屋」のホームページによると、日本進出後2年間の日本の不動産の販売総額は約154億円に達し、平均で3日に1物件が成約した。東京の約20平方メートルの中古ワンルームが1000万~5000万円で売買され、新築物件では白金台など高級住宅地の億ションが並ぶ。台湾人にはなじみ深い同社が日本の物件を扱うようになり、より買いやすくなった側面はありそうだ。
 さらに台湾の場合、中国にいつのみ込まれるかわからないカントリーリスクの回避という事情もある。台湾に限らず、中華圏の海外不動産購入は将来の永住を考慮する買い手が多く、米国やカナダ同様に日本も移住先として人気が高い。
 こうしてみると、日本の不動産購入は単なる「爆買い」の延長というより、国家の論理を超えて生き残る庶民のしたたかさを象徴しているようだ。
(斎藤知身)

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