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歴代大統領が愛した老舗ホテル 中国企業「分譲マンション」計画

2016年7月17日号

 ニューヨーク・パークアベニューにそびえる「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」。1931年に完成したアールデコ調の最高級ホテルは米大統領の"定宿"として知られ、マンハッタンのランドマーク的存在でもあった。
 このホテルが中国の保険会社「安邦保険集団」に買収されたのは2014年。米国ではほとんど知られていない企業の進出に米国民は驚いたが、同社には中国政府関係者の親族が多く名を連ねる。昨年習近平主席が訪米した際も、宿泊はアストリアだった。
 今年6月、安邦保険集団は「改装工事のため、来春からホテルを閉鎖する」と発表。内装を替え、3年以内にホテル兼マンションとして再開する予定という。同社によると、現在1400室余りある客室のうち1100室を取り壊して分譲マンションとして販売。300~500室は従来通りホテル客室として提供される。客室には、最新のインターネット環境「IoT(インターネット・オブ・シングズ)」が導入されるという。
 フーバー大統領以来、すべての大統領が宿泊し、マリリン・モンローが「私の家」と呼んだホテルの終焉(しゆうえん)に、多くの米国人はショックを受けている。多くの著名人が定宿にしていたことから、「ホテル地下には"秘密の地下鉄駅"があり、誰にも知られずチェックインできた」との逸話も残っているほどだ。
 しかし、施設の老朽化は否めず、最近では「南京虫が出る」と敬遠する向きもあった。かつて「世界一大きく、背の高いホテル」だったアストリアも、グローバル化の洗礼は避けられなかったのかもしれない。
 安邦保険集団は買収に約20億ドル、改装費用10億ドル、さらにホテルの閉鎖に伴って解雇される従業員への保障も手厚いという。疲弊した米経済で、これだけの投資ができるのは中国企業ならでは。中国流の再開発はNYっ子にどう映る?
(土方細秩子)

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