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中朝外交より体制固め優先か 「金日成体制」に近づく北朝鮮

2016年7月17日号

 6月末、日本の国会に当たる最高人民会議が開催された北朝鮮。5月初旬には36年ぶりとなる第7回朝鮮労働党大会も行われるなど、国内的には大々的な政治イベントが相次いで行われている。
 金正恩(キム・ジヨンウン)党委員長が政権を担って4年。国内では政治・経済で活発な動きを見せる一方、外交面ではこれといった動きがないのも事実だ。
 党大会終了後には、労働党の李洙〓(リ・スヨン)副委員長が訪中、習近平国家主席らと会談した。核実験やミサイル発射などで中朝関係が冷え込んでいる状況下だけに、李副委員長の訪中を契機に「近いうちに金正恩氏の訪中もあり得る」との観測も出たほどだ。
 だが、「それはありえない」と朝鮮労働党幹部は一笑に付す。幹部いわく、「党大会が終われば、共産党同士、大会内容を報告に行くのは慣例。(李氏の訪中は)それ以上でも以下でもない」という。
 北京の北朝鮮専門家らは「いま金党委員長が訪中しても、成果は何も得られない」と口をそろえる。国際社会の経済制裁が続く中、「中国側も北朝鮮には言えることがない」とも打ち明ける。
 北朝鮮は党大会でも核開発と経済建設の並進路線を打ち出した。米国や韓国は反発したが、中国は核問題に触れず、「経済建設の推進を支持する」とした。「1960年代から核開発、80~90年代に改革・開放路線を進んだ中国に北朝鮮の並進路線を批判できるわけがない」(前出・労働党幹部)との指摘がある。
 金正恩氏自身、中朝関係をはじめ外交政策より体制固めを優先させる方針のようだ。最高人民会議では、国防委員会が国務委員会に改編され、金正恩氏が委員長に就いた。父親の金正日(キム・ジヨンイル)総書記が進めた先軍政治にメドをつけて「朝鮮労働党独裁」の原則に戻り、むしろ祖父の金日成(キム・イルソン)主席の体制に近づいたといえる。
 いずれ、対外的な局面転換を北朝鮮に求めるには時期尚早かもしれない。
(浅川新介)

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