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領海侵入、接続水域航行相次ぐ 緊張高まる中国軍艦「航行の謎」

2016年7月 3日号

 緊張が続く東シナ海で6月9日未明、中国の軍艦が尖閣諸島の接続水域を航行した。
 きっかけは演習を終えたロシアの軍艦3隻が尖閣諸島の接続水域に入ったことだった。ロシア艦船を監視するため、日本の海上自衛隊護衛艦も追尾、これに中国艦船が続いたという見方が有力だ。接続水域では軍艦を含む船舶の往来が国際法上、認められているが、日本は尖閣の領有権を主張する中国には「緊張を高める行為」として抗議した。
 中国側は南シナ海で米国が主張する「航行の自由」を主張する。ただ、うがった見方かもしれないが、中国側にこんな意図はありはしないか。
 一つは、沖縄・与那国島に設置されたレーダー性能を中国海軍が試したかったということ。3月下旬、160人規模の自衛隊配備と同時に島に巨大なレーダーが設置された。同島から尖閣諸島までは約150キロあり、どの程度の性能のレーダーなのかを確かめたかったというのだ。
 実際、中国側に抗議するまで「わずか1時間ほどだった」とも報じられており、レーダー探知の早さが迅速な対応に一役買った点はありそうだ。
 もう一つは、存在しない約束を持ち出すなどして自国の行動を既成事実化しようとしているということだ。中国共産党系の情報紙『環球時報』は「中日双方には艦船を接続水域に入れないとの密約があり、日本が先に約束を破った」などと報じたが、そんな約束はない。むしろ、東・南シナ海での権益を狙って「中国はいつでも現場海域を自由に航行できるという、既成事実化の一環ではないか」(防衛省関係者)とも読めてくる。
 南シナ海での中国の動きには、米国が「航行の自由」作戦で対抗。喉元のベトナムは、米国の武器禁輸措置が全面解除された。そんな状況に対する焦りなのか、6月15、16日には中国軍艦の鹿児島沖・日本領海への侵入、接続水域航行などが相次いだ。"一触即発"を避けるべく、自制を求めたい。
(浅川新介)

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