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アップルが海外で「社債」発行 透けて見える"節税対策"の妙

2016年6月26日号

 米アップルが6月初め、オーストラリアで14億2500万豪ドル(約1140億円)相当の社債を発行したことが明らかになった。
 自社製品のサプライヤーが多い台湾でも、近く同規模の社債を発行すると発表があった。世界有数の企業が本国外で巨額の起債をする背景には、「節税をしたい」との思惑があるようだ。
 企業の社債発行の理由として挙げられるのは、設備投資や他企業の買収、または財務体質の改善・強化という名の有利子負債の圧縮が相場だ。
 アップルの場合、いずれも当てはまらない。株式の時価総額は約5458億ドル(約58兆4770億円、6月9日現在)、総資産のうち現金保有高だけで2330億ドルに上る。超富裕企業である同社は、金融機関や投資家から資金調達をする必要がないのだ。一方、1~3月期はアイフォンの販売台数が前年同期を16%下回っており(全体では同13%の減収)、差し当たって設備投資が必要な状況にもない。
 こうした中、アップルは2013年の米国を皮切りに、欧州、スイス、日本で社債を発行してきた。台湾での起債は初めてとなるが、オーストラリアでは昨年、今回よりも多い22億5000万豪ドル相当分を発行したばかり。
 なぜ国外で社債を次々に発行するのか。
 アップルは現金保有高のうち9割を米国外に置いている。法人税率が35%と高い米国に海外から余剰利益を送金して課税されるよりも、金利を払ってでも海外で社債を発行した方が懐が痛まずに済むのだ。同社は「株主還元のために18年3月までに2500億ドルを投じる」と表明している。
 先進国や大市場の中国ではスマートフォンが普及し、既に飽和状態を迎えている。このため、次世代アイフォンが来年発売されるまでは、1~3月期と同様の低調な決算が続くと予想されている。実は、同社の株や社債は今が買い時なのかもしれない。
(志村宏忠)

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