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「中朝首脳会談」シナリオ急浮上 「並進路線」訴え北朝鮮高官訪中

2016年6月19日号

北朝鮮前外相で現在は朝鮮労働党副委員長の李洙〓(リ・スヨン)氏が5月末に訪中した。2013年末、当時の北朝鮮「ナンバー2」とされ、中国と関係が深かった張成沢(チヤン・ソンテク)氏が粛清されて以降、ぎくしゃくしていた中朝関係に変化が見えてきた。
 変化を象徴するのは、李副委員長一行を出迎え、5月31日に会談した中国共産党中央対外連絡部の宋濤(そうとう)部長が「伝統的な中朝親善関係を重視し、新たな環境に合わせ、さらにしっかりと発展させる」と述べたことに尽きる。
「新たな環境に合わせ」という部分に、中朝関係の今後に含みを持たせているようだが、旧来の友好関係に変わりはないことを両国が宣言したことは確かだ。
 北朝鮮の最高指導者である金正恩(キム・ジヨンウン)党委員長が12年に政権を担って以降、「冷え切った」とまで言われてきた中朝関係だが、李副委員長は宋部長、次いで会談した習近平国家主席にも「経済建設と核開発を同時に進める並進路線」を改めて主張したようだ。「並進路線」は5月に開かれた朝鮮労働党大会で強調された、金党委員長自ら打ち出した国家運営の柱である。
 だが、その核開発を国際社会は懸念している。習主席は朝鮮半島の安定化に向け、李副委員長に対話と自制を求めたとされるが、「本音ベースでは、中国側は半ば(北の核開発問題を)あきらめかけているのではないか。中朝がヨリを戻せば、人的・経済的交流が深まり、北朝鮮の核開発がさらに進むことになりはしないか」(韓国・統一省幹部)との見方すら出ている。
 次の焦点は、金党委員長と習主席の首脳会談。今回、李副委員長が習主席と会談したことで、一気に現実味を帯び始めた。「3カ月程度は民間交流などを深め、今秋にも金党委員長が訪中するシナリオが浮上している」(ソウルの北朝鮮研究者)。シナリオ通りになれば、情勢はさらに複雑化しそうだ。
(浅川新介)

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