国際詳細

News Navi
loading...

報道機関に「称号」の使用を指示 カンボジア首相"強まる独裁色"

2016年6月19日号

カンボジアのフン・セン首相の"独裁ぶり"が露(あら)わになり始めた。
 5月12、13日にカンボジアの英字紙や外国のテレビ、ラジオなど報道機関の特派員が一斉に報じたところでは、フン・セン首相に言及する場合は単に「首相」ではなく、「lord(ロード)(=支配者たる、最高位の)」の称号を記すよう、情報省が3時間に及ぶ説明で指示したというのである。
 その際、同省高官は「報道の自由には影響しない。不満なら退去せよ」とメディア側に高圧的に語ったという。
 lordに相当するカンボジア語は「samdech(サムデク)」で、「国王を除き、一般人では最高の地位」を表すといい、元々は国王によって授与された称号だ。併せて同省は、大学を出ていない夫人に与えられた「セレブ・ドクター・プロフェッサー」の称号使用も指示したという。
 一方、三男のフン・マニ氏は父の私設秘書を務めながら政界入りを狙い、後継最有力と目されている。どこか、北朝鮮の「金王朝」同様の神格化、世襲政治を彷彿(ほう ふつ)させる。実は昨年12月にも、同省が称号の使用を求めていた。今回の強硬措置は一向に取り合わないメディアに対してしびれを切らしたためのようだ。
 3年前の下院選挙では、政治腐敗や経済格差是正を掲げた救国党が躍進、フン・セン首相率いる人民党は大敗した。以来、都市部の若年層を中心にした批判勢力に神経を尖(とが)らせているようで、人民党関係者によれば、同党国会議員全員に「フェイスブックで国民の声を直接聞くよう」と指示したとも伝わる。
 あるカンボジア人経営者は皮肉を込めてこう言う。
「経済成長の舵(かじ)を取ってきた功績はあるものの、30年に及ぶ支配の中で土地の強制収用、人権問題、汚職、森林伐採、格差問題、不正な裁判などさまざまな問題が生じた。そちらの方こそ、彼の"遺産"と呼ぶべきでしょう」
(田口嘉孝)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    田中麗奈 女優

    2018年5月20日号

    阿木燿子の艶もたけなわ/202   清涼飲料水のCMで初代イメージキャラクターを務め...

コラム