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射殺事件の銃をオークションに 「無罪評決」男性の厚顔無恥ぶり

2016年6月 5日号

 米フロリダ州で2012年に起きた「トレイボン射殺事件」。黒人少年のトレイボン・マーティン君(当時17歳)が自称「自警団」の男性(32)に射殺され、全米で人種差別に対する抗議デモが起きた。
 裁判では殺人罪に対しては無罪評決、米司法省が捜査していた人種差別などを禁じた公民権法違反容疑についても証拠不十分で不起訴となった。
 後に起きたミズーリ州ファーガソンでの白人警察官による黒人青年射殺事件(14年)などとも関連し、この事件が白人と黒人の間の人種間闘争の火ダネになったといっても過言ではない。ところが当の男性は反省するどころか、「自分は正しいことをした」とメディアに訴え、一時は"時の人"となった。
 その男性が5月、あろうことか「トレイボン少年を射殺した拳銃」をオークションに出品した。最低落札価格は5000ドル(約54万円)だったが、入札額は6600万ドル(約71億円)にまで跳ね上がった。
 ところが、入札はオークション出品に反対する人々による虚偽と判明。男性は最低落札価格を10万ドルに設定し再出品したが、今度はオークション主催者側による説得で取りやめた。この経緯にも懲りず、男性は3度目のオークションに挑戦。最終的に12万ドル(約1300万円)で落札された。
 これには理由があった。
 男性は事件後、マスコミに出て稼ぎ、自らが描いた米国旗の絵が10万ドルで売れるなど、一時は事件で荒稼ぎした。しかし、その後は家庭内暴力や暴行事件などが報じられ、今や破産寸前らしい。
 男性の行動に不快感を示す人は多いものの、本人は「トレイボン少年の両親は子どもを正しく育てなかった」などと遺族感情を逆なでするなどどこ吹く風。呆(あき)れるほどの厚顔無恥ぶりながら、インターネット上では男性を支持する声もある。米国の「人種の壁」問題の、悲しむべき一面と言える。
(土方細秩子)

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