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台湾「4歳女児惨殺」で勢い増す児童殺害に「厳罰化」求める世論

2016年5月22日号

児童殺害事件を受け、台湾で死刑制度の存続、厳罰化への支持が高まっている。
 発端は3月末、4歳女児が路上で33歳の男に包丁で首を切られて殺害された事件。4月10日には、台北市内で死刑制度支持派約5000人が集まってデモが行われた。
 台湾では議会野党・国民党の立法委員(国会議員)が、12歳未満の児童を殺害した者は被害者が1人の場合でも死刑とする、長期間の病気や家庭の貧困が原因で親が子どもを殺害した場合は無期懲役とする―などとした刑法の改正案が提案されていた。
 国民党案に対し、法務部(法務省)は「児童の殺害に関しては刑を重くするよう考慮する規定が既にある。また、国民党案に従って改正すれば、裁判官の量刑判断の余地を狭めることになる」として、反対の意向を示している。
 だが、地元ケーブルテレビ局「TVBS」が4月1日に発表した世論調査では、81%が国民党案を支持、反対は9%だった。さらに、「死刑は凶悪犯罪の防止に役立っている」が79%に上った。このため国民党は今後、死刑制度の存続または廃止を問う住民投票の実施を立法院で提案することも検討している。
 一方、殺された女児の母親は事件直後、今回の事件を理由に死刑の支持派と反対派が非難合戦をしないように求めていた。その後、「死刑を支持しないが、制度廃止には同意しない」と苦しい胸の内を語っている。
 台湾では2006~09年にかけて死刑の執行が一時停止されたことがあるが、10年から再開されている。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」によると、昨年は6人が死刑を執行された。5月20日に蔡英文氏が総統に就任し、与党となる民進党は党として死刑制度に反対した過去もある。
 死刑存廃を巡り、蔡総統はどんなスタンスで臨むのか。新政権発足早々、難題が待ち構えている。
(志村宏忠)

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