国際詳細

News Navi
loading...

子どもの教育格差解消にも一役 ネット高速回線に補助制度設置

2016年5月 1日号

 インターネットは現代生活に欠かせないツールだ。
 しかし米国では、年収2万5000ドル未満の家庭のおよそ半数が、高速インターネット回線を所有していないという。このため、米連邦通信委員会(FCC)はインターネットを「ライフライン」とみなし、政府が12月から対象家庭に補助金を支給する制度を始める決定を下した。
 米国では、30年前に電話線が引けない家庭への補助制度が始まったが、今回はこれを拡大解釈し、ネット専用回線または電話とネットの組み合わせサービスなどを対象に月額9ドル前後を補助する予定。
 対象は、4人家族で年収約3万3000ドル以下の家庭。食費補助(フードスタンプ)、電気・ガス・水道などの補助、医療補助などを受けている家庭も含まれる。
 FCCは「米国に存在する"デジタルの壁"を取り払うのが目的だ」としている。特に、小学生でも宿題のためにネットへのアクセスが必要な場合が多く、子どもたちが平等な教育環境に置かれることが最も重要とされている。
 今後、FCCはマーケットプレイス(取引市場)を設け、ネットプロバイダーに参加を呼びかける。申請者は取引市場に参加するプロバイダーのサービスを任意で選べる。ただし、補助は家庭向けネット回線に限られ、携帯電話は対象外。このため、「スマートフォン時代にもかかわらず、不完全な制度だ」との批判もある。また、平均的な家庭用高速回線は月額50ドル以上。9ドルの補助でどれだけ加入者が増えるかも不透明だ。
 それでも、従来は"ぜいたく品"扱いだったネット高速回線が生活必需品となったことは大きい。パソコンを持つ家庭と持たない家庭の子どもの学力格差が問題になっていたこともあり、その解消にも期待がかかる。半面、社会の変化のスピードにもますます拍車がかかりそうではあるのだが。
(土方細秩子)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

コラム