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海外展開強化「三菱UFJ信託」 サウジの次世代ファンドに照準

2016年5月 1日号

 中東最大の産油国・サウジアラビアが、原油依存経済からの脱却を模索している。
 米国のシェールオイルが台頭し、世界的に化石燃料から再生可能エネルギーへの転換が進む中、原油の競争力が低下傾向にあるためだ。そのサウジが、原油に代わる"次世代の財源"として位置付けるのが、巨額のオイルマネーを投資ファンド化するマネー戦略に他ならない。
「サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が、米ブルームバーグの取材で、国営石油のサウジアラムコ持ち株会社を上場させ、新規公開株(IPO)で得た資金を元に投資ファンドを組成する構想をブチ上げたのは衝撃だった」(大手証券幹部)という。
 ムハンマド副皇太子は「サウジの歳入の源は、厳密には原油から投資に変わる」とまで述べており、早ければ来年までにアラムコの株を公開する意向を示している。最終的な投資ファンドの規模は2兆ドル(約216兆円)と世界最大となる見通しである。
 その中東の政府系投資ファンドを狙い、早くも日本の金融機関も動き出している。
 三菱UFJ信託銀行は5月にも、日本の信託銀行で初めて中東のドバイに駐在員事務所を開設する。中東の投資ファンドが集まるドバイでの情報収集とネットワーク作りが目的で、オイルマネーの投資ファンド化の流れを的確に捉え、巨額な資産の受託・運用に結びつけたい考えだ。
 同行は過去4年間に約700億円を投じ、米キャピタル・アナリティクスなど海外資産管理会社4社を買収、現在の管理資産残高は200兆円を超える。同様の買収戦略を進める一方で、管理・運用資産の増強を目指す。その視線の先には、中東の巨大な政府系投資ファンドがある。
 サウジのアラムコ上場と投資ファンドの組成。その巨大マネーを、日本の株式市場や不動産市場に呼び込もうとする大手信託銀行の思惑が垣間見える。
(森岡英樹)

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