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"税金逃れ"でおびえるのは... 世界が震撼する「パナマ文書」

2016年4月24日号

 パナマの法律事務所から流出した機密文書「パナマ文書」。世界各国の要人らが租税回避地(タックスヘイブン)に開設した口座情報や利用実態などが記されており、波紋は拡大の一途だ。
 パナマ文書で判明した著名人には、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、英国のキャメロン首相ら首脳がずらりと並ぶ。記載があったアイスランドのグンロイグソン首相は辞任を余儀なくされた。政治家だけでなく国際サッカー連盟(FIFA)のインファンティノ会長、香港の人気俳優、ジャッキー・チェンら著名人の記載もある。
 いわゆるタックスヘイブンとは、英領バージン諸島やパナマなどに口座を開設し、資金を移すことで課税を回避する方策。税金対策の半面、資金洗浄などの疑惑を持たれやすく、行為自体がネガティブに受け止められやすい。ましてや、政治家をはじめとする権力者が納税を嫌って回避すること自体、合法的なものであっても市民の反発を招く行為と言わざるを得ない。
 キャメロン首相はタックスヘイブンへの投資を認めたが、自身が"課税逃れ"強化対策を訴えていたことから、今後劣勢に立たされる可能性もある。プーチン大統領も、タックスヘイブンに企業を所有する親しい友人の名前が取りざたされており、自身の関与が疑われる状況に追い込まれ、火消しに躍起だ。
 もっとも、現段階でパナマ文書問題の波及を何より恐れているのは、中国だろう。習主席の義兄や故毛沢東主席の孫の夫ら現職の政権幹部や旧指導部の一族に関連した法人が、タックスヘイブンで設立されていることがわかっている。中国では既に、国内メディアはおろか外国メディアによる報道さえシャットアウトするなど検閲を強化している。
 5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)でも激論必至の文書、世界をどこまで震撼(しんかん)させるのか。
(浅川新介)

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