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「FBI VS. アップル」突然の決着 当局ロック解除成功で議論白熱

2016年4月17日号

 カリフォルニア州サンバーナディーノ市で昨年12月、銃の乱射で14人が死亡したテロ容疑事件。2人の容疑者は現場近くで射殺されたが、問題はそこで終わらなかった。
 米連邦捜査局(FBI)は容疑者の男が所有していたアイフォーンを押収。アップル社に「ロック解除」を求めて提訴し、同州連邦地裁が申し立てを認めた。ところが、同社は解除方法が悪用されかねないなどとしてFBIへの捜査協力を拒否。テロ捜査とプライバシー保護を巡る社会的論争に発展していたのだ。
 しかし3月28日、FBIは独自にロックの解除に成功した、と発表。法廷闘争は唐突に決着を迎えた。問題が注目されたのは、「情報を扱う企業は政府の求めに応じて個人情報にアクセスする手段を与えるべきなのか」という点にある。FBIは今回の事件に限ってロック解除を求めたわけではなく、端末内の情報にアクセスするための"裏口"を明かすよう求めていた。
 しかし、こうした手段を政府が持てば、政府の個人情報管理に歯止めがきかなくなるおそれがある。解除方法が流出すれば、別の犯罪に使われる可能性も否定できない。
 一方、当初からソフトウエア技術者の間では「FBIは独自にロック解除に成功するだろう」との観測も流れていた。アップル社にはネット上に保管された有名女優らの写真を盗まれるという"前科"があるため、「100%安全なセキュリティーは存在しない」という考えが根底にある。
 ベルギーでのテロ事件もあり、テロ捜査に関する個人情報の検索はますます進むと考えられる。今回、FBIは第三者の協力を得て解除に成功したという。「政府はロックされた端末からも情報を取り出せる」ことが明らかになったわけで、連邦議会でも情報開示と政府の権限についての協議が始まった。法廷闘争は終わっても社会的な論争はますます白熱しそうだ。
(土方細秩子)

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