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スーチー氏「大統領就任」暗礁

2016年3月20日号
 ミャンマーの民主活動家で、与党・国民民主連盟(NLD)を率いるアウンサンスーチー氏(70)の大統領就任が見送られることになりそうだ。ミャンマー連邦議会が3月1日、次期大統領の選出手続き開始を3月17日から3月10日に前倒ししたためだ。
 ミャンマー憲法では、スーチー氏のように外国籍の親族がいる場合は大統領に就任できない。昨年11月の総選挙で大勝したNLDは、スーチー氏を大統領にするため、憲法改正もしくは当該条項の一時凍結を模索してきた。
 しかし、軍の影響を無視できない議会事情や憲法規定を考えると憲法改正はすぐには難しい。このため、条項を一時凍結する特別法の制定を優先していたが、法案の審議に数週間かかる。テインセイン現大統領の任期は3月末までで、「結局、時間切れ。NLDはスーチー氏の大統領就任をあきらめた」(ヤンゴンの日本政府関係者)。
 また、総選挙後に「大統領の上の存在になる」と公言するなどの発言がクローズアップされたスーチー氏。「独裁政権を批判してきたのに、自ら独裁者になったかのような言動が目立ち、彼女に対するミャンマー国民の目は日本人が想像する以上に厳しくなっている」(同)という。
 加えて、たとえ大統領がNLDから選出されても、国民が不安を覚える理由はある。一定勢力を維持する軍による弾圧のおそれがあることと、NLD内に行政能力・政治手腕に長(た)けた人材が乏しいという点だ。「腐っても軍。実際に政権の舵(かじ)を取ってきた意味は大きい。内政・外交ともに有能な人材が少ないのがNLDの弱点」(現地紙記者)
 日本からも巨額のODA案件や企業進出が相次ぐ中、前政権時代のプロジェクトなどがご破算になりはしないか――。不安が募るNLD政権に、"独裁臭"が漂ってきたスーチー氏。晩節を汚さなければよいのだが――。
(浅川新介)

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