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着々進む中国「南シナ海」進出

2016年3月13日号
 核実験、弾道ミサイル発射に対する北朝鮮への制裁で中国の役割が注目される傍ら、もう一つの中国の行動も注意する必要がありそうだ。中国が着々と建設を進めている南シナ海の軍事基地だ。
「南シナ海を明らかに軍事拠点化している」とハリス米太平洋軍司令官は指摘したが、それもそのはず、南シナ海の西沙諸島の永興島(ウッディー島)に中国が地対空ミサイルを配備したことが判明。さらに、中国は同島に戦闘機を定期的に派遣している。
 米中両国は北朝鮮への制裁案を原則合意。従来の制裁内容を強化し、ジェット燃料などの輸出禁止といった物質的な制裁、金融的な制裁もより厳しくなる。だが、米国は同時に、中国の南シナ海での軍拡には反対し続けてきた。中国の王毅外相は対北制裁には同意したものの、南シナ海への米国の口出しには強く反発。中国メディアも、南沙・西沙諸島周辺を米艦船や航空機が航行する「航行の自由」作戦に対し「米艦に発砲せよ」などと息巻いている状態だ。
「南シナ海の領有問題と北朝鮮への制裁を、中国側はリンクさせて考えているのではないか」(北京の日本人研究者)。さらに、「韓国へのTHAAD(サード)(終末高高度防衛)ミサイル配備と対北制裁では歩み寄っても、南シナ海では中国は我を通す」(日本外務省関係者)という見方もある。
 もともと対北制裁では「やる気がない」、あるいは「制裁は効果がない」と中国側が考えているのは間違いない。中国にとって戦略的により重要で、しかも国際社会でのプレゼンス上効果的なのは、軍事基地化が進む南シナ海での拠点作りの方だ。
 しかも、オバマ米大統領の任期が今年で切れ、外交面ではある種のレームダック化が進んでいる。ここぞとばかり、「やりたいことはやる」と中国は考えているように映る。安倍外交にも"臨機応変"が求められそうだ。
(浅川新介)

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