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及び腰の中国に朴大統領の"怒り"収まらず

2016年3月 6日号
 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は"怒り心頭"のようだ。
 2月16日、北朝鮮の弾道ミサイル発射後の演説で朴大統領は、従来使わなかった「崩壊」の二文字を織り込み、「北朝鮮は核開発では生存できず、体制崩壊を招く」「これまでのやり方と善意では核開発の意志をへし折ることはできない」と強い言葉で訴え、「北朝鮮を変える根本的な答えを探すべき」と結論付けた。
 その結論の一部が、北朝鮮側にある開城(ケソン)工業団地の操業中断だろう。2004年に開業した同所には、最近まで124社の韓国企業が進出、北朝鮮側従業員5万5000人が働いていた。中断措置は韓国企業から北朝鮮側に支払われる賃金の一部が、核やミサイル開発などに使われた、とみなしたためである。
 韓国・統一省によれば、賃金の総額は年間120億円。だが、北朝鮮の弾道ミサイル1発の価格は約300億円と推定され、1発分にもならない。むしろ、開業以来10年間で3600億円以上を投資した韓国企業の損失の方が甚大だ。
「突然、死刑宣告されたようなもの」(入居企業)
 さらに、朴大統領の強硬姿勢に合わせるように、韓国の情報機関・国家情報院は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が「韓国を狙ったテロ」「韓国要人の拉致・殺害」を指示したとの情報を流している。あまりのタイミングのよさに、内容の信ぴょう性に疑問符をつけたくなるほどだ。
 もともと「朴大統領は北朝鮮と信頼関係を築くつもりはなかった」(統一省関係者)とまでいわれていた。ただ、経済的に重要な中国との関係もあり、また中国が北朝鮮をある程度けん制してくれるとの期待感から穏健な北朝鮮政策を続けていたともいえる。
 ところが、対北制裁に及び腰の中国に「(朴大統領は)プッツン、切れた」(日本の外務省関係者)。それが強硬姿勢を招いたとの見方も根強い。3月には数十万の兵士が参加する米韓合同軍事演習が始まる。一触即発の事態は何としても避けたい。
(浅川新介)

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