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トランプ氏"連敗"なら撤退も

2016年2月21日号
 ついに幕を開けた米大統領選予備選。11月8日の本選挙に向け、2月1日に口火を切ったアイオワ州では事前の予測を覆す結果となり、ただでさえ混戦模様の選挙の今後がますます不透明になった。
 米国の選挙制度は複雑で、最初に州ごとの投票で代議員が各候補に配分される。さらに、夏の党大会で代議員の過半数を得た候補が本選挙の候補として、18歳以上の有権者による審判を受ける仕組み。本選挙では最多得票の候補が各州に割り当てられた選挙人を"総取り"し、過半数(270人)を得た候補が当選する。
 大統領への道のりの第一歩となるのがアイオワだ。代議員の配分割合は州によって異なり、1位の候補が総取りする州、票数に応じて配分される州などさまざまだが、アイオワ州は得票に応じて比例配分される。
 このため共和党1位のテッド・クルーズ候補(45)は約3分の1を、民主党のヒラリー・クリントン候補(68)は2分の1を得る計算になる。
 民主党に関しては、勝利宣言したクリントン氏より、「実質的に引き分け」と応じた2位のバーニー・サンダース候補(74)が正しい。正確な支持者獲得率は、クリントン氏49・9%に対しサンダース氏49・6%。この結果は、「クリントン敗北」とも取れる。
 昨秋ごろまでは"圧勝"予測だったクリントン氏は、あっという間にサンダース氏に差を詰められ、薄氷を踏む思いでの勝利宣言だった。本人も僅差の結果にやや意気消沈した感がある。次のニューハンプシャー州(2月9日)はサンダース氏の地元・バーモント州に隣接し、事前の世論調査では「サンダース優勢」と出ている。ここで負けると、流れは一気にサンダース氏に傾く可能性がある。
 また、「18歳から25歳の80%以上がサンダース支持」などの報道で、サンダース氏のリベラルさが際立ち、クリントン氏は「古いタイプの政治家」というイメージが固定化。公務での個人メール使用問題もイメージ下落に拍車をかけた。一方、「公立大学を無償に」とのサンダース氏の主張は「非現実的」と批判されながらも、学資ローンに苦しむ米国の大学生には"ヒーロー的存在"に映りつつある。
 対する共和党はどうか。
 支持率で首位のドナルド・トランプ候補(69)は2位発進。本人は「直前の候補者討論会をボイコットしたのが響いたかもしれない」と珍しく反省しており、「10位でもおかしくなかった。2位は光栄だ」と声明を出すなど結果を重く受け止めているようだ。次戦で連敗すれば、撤退の可能性も指摘されている。もっとも、「選挙は人気投票ではない。本番になれば、米国人は理性を取り戻す」と言われ続けた通りの結果になっただけで、それほどの驚きはない。
 むしろアイオワの勝者は僅差で3位につけたマルコ・ルビオ候補(44)との見方もある。「クルーズ対トランプ」の構図の中で注目度は低かったが、それだけにトランプ氏に1%差の23%を獲得した点は意外でもあり、次につながる数字と言える。大掛かりなキャンペーンや戸別訪問などで初戦の勝利にかけていたクルーズ氏に比べ、余力を残した感がある。若さと中南米系からの支持の高さを武器に、共和党候補者選びの"台風の目"となることは確実だ。
 アイオワやニューハンプシャーの結果を見て、支持を表明する大物政治家や企業が多いことから、選挙の行方を占う上で序盤戦の影響は無視できない。ただし、事実上の"天下分け目の決戦"は予備選が集中するスーパーチューズデー(3月1日)。世界の命運を左右するリーダーは誰なのか、最後まで目が離せない。
(土方細秩子)

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