国際詳細

News Navi
loading...

再就職者に「収入補てん」法案

2016年2月 7日号
 これが最後の「チェンジ」になるのか。年明け早々、オバマ米大統領が「中低所得層への収入保障」法案を提出した。
 提案は、年収5万ドル(約590万円)以下の層を対象に、失職した後の再就職先の給与が前職よりも低い場合、その半額を国が補てんする内容。補てん額は最高で年1万ドル、最長2年間受けられる。
 オバマ大統領は法案提出にあたり、「懸命に働く米国人が仕事を失った時、失業保険だけでなく、訓練を受けて再雇用されるためのプログラムを作る必要がある。新しい職の給与が低い場合でも、失業者が前向きに再就職を考えられる制度が必要だ」と語った。
 一見、景気の良い話だが、政府による補てんにはマイナス面もある。雇用する側が従業員を解雇しやすい環境を作り、低収入の職業を次々に生み出す可能性がある。労働者にとっても「無理に働かなくても、政府が補てんしてくれるというモラルハザードにつながる」との指摘も出ている。
 米国で労働者の失業の主な要因とされるのは「企業が海外に生産現場を移し、安い労働力に頼る」「不法移民が安い賃金で職を奪う」という問題だ。見方を変えれば、TPPの合意にこぎ着け、不法移民に寛大な政策をとってきたオバマ大統領自身が「米国人の失業原因を作り出している」とも言えそうだ。
 さらにオバマ大統領は、ワークシェアリング(仕事を分かち合うこと)でリストラを減らすよう企業や政府機関に要請している。つまり、失業は防ぐが賃金は減少する。高賃金の熟練労働者が減少し、中低所得者が増加する現状を大統領は「ニューエコノミー」と呼ぶが、政府がその傾向を増大させている。
 白人の中高年層の死亡率が高まっているという調査結果もあり、自殺、ドラッグの過剰摂取が原因とされるが、その根本には生活の困窮がある。法案は、こうした傾向にどれだけ歯止めをかけられるのか。
(土方細秩子)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    橋本マナミ 女優

    2017年6月18日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 157   かつて、"愛人にしたい女性ナンバーワン"のキャッ...

コラム