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人民元がジンバブエ法定通貨に

2016年1月31日号
 天文学的な数字のハイパーインフレを経験し、自国通貨を廃止した国がある。アフリカ南部のジンバブエだ。
 そのジンバブエが昨年末、中国の人民元を法定通貨の一つに採用すると決めた。世界2位の経済力を背景に、「アフリカに中国の新たな支配地が誕生する」との見方もあるが、人民元の国際化への道のりはそれほど簡単ではない。
 中国政府は最近、自国通貨の国際化に躍起だ。人民元は国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨に採用が決まったほか、中央銀行に当たる中国人民銀行は今年から、外国人投資家の参入を期待して上海外国為替市場の取引時間を午後11時30分まで7時間延長している。
 こうした中、ジンバブエが人民元を法定通貨に採用したのには訳がある。習近平国家主席は昨年12月、同国を公式訪問した際に、10億ドル規模のエネルギー・情報通信への投資を発表。加えて、中国政府は4000万ドルの債権放棄にも同意した。人民元を法定通貨に採用したのは、中国の経済援助に対するジンバブエの"お礼"だったのである。
 ジンバブエでは2009年以来、ハイパーインフレによって自国通貨のジンバブエドルが実質的に無価値となり、昨年6月には公式に廃止されたため、米国や南アフリカ、日本などの通貨を法定通貨として使わざるを得なくなった。
 中でも、依然世界の基軸通貨である米ドルと南隣の南アフリカ・ランドへの信用が圧倒的だという。このため、輸出額が少なく、中国人観光客もまばらなジンバブエで、大量の人民元が日常的に流通するようになるとは考えにくい、というのが現実だ。
 結局、今回の両国の合意は「人民元は国際通貨」と主張したい中国と、巨額投資と債権放棄という見返りを得たジンバブエとの利害の一致に基づく"出来レース"だったようである。
(志村宏忠)

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