国際詳細

News Navi
loading...

大戦懸念も サウジVS.イラン

2016年1月24日号
 中東情勢がさらに緊迫の度を増している。サウジアラビアがイランと国交を断絶した。バーレーンやスーダンなど周辺国も相次いでイランと断交。中東の対立軸がいよいよ鮮明になってきた。
 きっかけは1月2日、サウジ政府がテロに関与した罪で47人の死刑を執行したこと。その中に、イランが刑の執行を猶予するよう求めていた同国イスラム教シーア派の最高位聖職者であるニムル師が含まれていたのだ。
 ニムル師は2012年、宗派間対立を煽(あお)り、国家の転覆を謀るなど複数の罪に問われ、14年に死刑判決を受けた。
 ニムル師の処刑を受け、イランではサウジアラビア大使館など同国の在外公館がデモ隊に襲撃された。デモ隊はイラン政府によって組織された疑いが強く、これが断交の直接的な理由とされている。サウジアラビアは国民の80%超がイスラム教スンニ派だが、シーア派の国民も15%ほどいるため、シーア派国家のイランは処刑に反発を強めていた。
 また、シリアやイエメンを巡る問題でも両国は対立してきた。シリアでは、米国の同盟国であり反体制派を支援するサウジアラビアに対し、イランはアサド政権を支持。両国ともイスラム国(IS)には反対の姿勢だが、今後、ISが"漁夫の利"を狙って勢力を拡大する可能性もある。
 さらに厄介なのは、両国とも国内の引き締めを狙って、互いに刺激し合うという側面があることだ。両国内には現政権への反対勢力があるため、絶えず外に敵を作って国民の目をそらす必要がある。サウジアラビアがイエメンで軍事行動を展開する理由の一つにも挙げられる。
 ともあれ、両国とも中東では大国だ。1月7日にはサウジ連合軍が在イエメンのイラン大使館を空爆した、とイラン側が発表。サウジ側は否定しているが、緊張の度合いは高まる一方だ。「第三次世界大戦の引き金にならないか」。国際社会ではそんな憂慮すら出てきている。
(浅川新介)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    橋本マナミ 女優

    2017年6月18日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 157   かつて、"愛人にしたい女性ナンバーワン"のキャッ...

コラム