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不意打ち「水爆実験」の北朝鮮

2016年1月24日号
 まるで不意打ち。北朝鮮の核実験のことだ。
 北朝鮮は1月6日、初の水素爆弾実験に成功したと発表した。地震波や放射能の漏れ具合など本当に水素爆弾だったかどうかには疑問符もつくようだが、2006年以降、4回目の核実験となった。
 とはいえ、伏線はあった。
 15年末、北朝鮮メディアには「水素爆弾」の文字が躍り始めた。前回の核実験は13年。原子爆弾から水素爆弾へと進む核開発プログラムから見ると、約2年の間隔はそれほど不自然なものではない。
 しかしながら、今年5月に36年ぶりの朝鮮労働党大会を控え、大会までは核実験を含め国際的な反発を招く行動は取らない、との見方が支配的だった。加えて、核開発を理由に国際社会から経済制裁を受けている状況下、核実験を強行してさらなる制裁を受けると徐々に回復軌道に乗っている北朝鮮経済には大きなマイナスだ。このため、「核実験という無謀な選択はない」と専門家らは考えていた。
 北朝鮮は、今回の核実験で従来の「社会主義的経済」、いわゆる自立経済に戻ろうとしているのではないか。実際、金正恩(キム・ジヨンウン)第1書記が今年の元日に発表した新年の辞にも「自立」「自主」「独立」といった言葉がちりばめられている。たとえ孤立しても、12年に金正恩政権が本格化して以降のスローガン「経済と核武装の並進路線」に、ある程度目に見える成果を出す必要があったためと考えられる。
 韓国統計庁によれば、北朝鮮経済は12年以降、1%前後のプラス成長を続けており、首都・平壌(ピヨン ヤン)ではかなり高いレベルの消費生活が広まっている。こうした状況から、核実験の強行で対外経済が萎縮しても「なんとかやっていけるのではないか」と金第1書記が考えた可能性はある。
 経済に並ぶもう一つのスローガン、核武装にメドをつけるための水爆実験―そのシナリオは狂気以外の何物でもないのだが。
(浅川新介)

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