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フロリダに「日本庭園」ができた"秘話"

2016年1月17日号
 世界の知られざる土地で生活している日本人を紹介するテレビ番組が人気だが、海外での奮闘は何も今に始まったことではない。100年以上前から北米・南米をはじめアジア各地などへ"進出"した日本人のドラマは数知れない。
 そんな秘話ドラマの一つが、米国にある。
 フロリダ州へ100年以上前に「日本人村」を作ろうと入植したプロジェクト。日露戦争直前にニューヨークに渡った留学中の酒井醸なる若者がリーダーとなって、フロリダ州南部へ集団入植事業が企画された。
 当時、フロリダ半島では石油王ロックフェラーとともにスタンダード石油を経営したヘンリー・フラグラーが半島最南端のキーウェストまで鉄道を敷くなど、リゾート開発を進めていた。
 この流れに酒井ら日本人も乗って、マイアミから北80キロほどの原野で「大和コロニー(入植地)」を立ち上げた。その地でパイナップルや野菜作りを始めたのだ。土地バブルなどもあってコロニーは戦前に解体してしまうが、たった一人、最後まで残った森上助次という農民が、所有する広大な土地を地元に寄贈した。
 これがもとで、そこに「モリカミミュージアム&ジャパニーズガーデンズ」(http://morikami.org/)という「日本庭園」(6・5ヘクタール)と「博物館」ができて公園化されたのだ。
 フロリダ州といえば、中部のディズニーワールドやビーチリゾートで知られる。東洋の影など微塵(みじん)もないようだが、実は素晴らしい日本庭園が亜熱帯の風が吹く中に今もしっとりとたたずんでいる。
 京都府宮津市出身の森上は失恋がきっかけで渡米、トレーラーハウスで暮らすなど生涯質素な暮らしをし、一度も日本に帰ることなく89歳で生涯を終えた。だが、生前望んだ通り、異国に「モリカミ」という自分の名前を残した。
 こんなところになぜ日本人が─。そのさきがけのような人物だ。
(木田京三)

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