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米「対イスラム感情」悪化の一途

2016年1月 3日号
「すべてのイスラム教徒の入国を禁止すべきだ」
 こうブチ上げたのは、米大統領選の共和党指名候補の一人、ドナルド・トランプ氏(69)。11月13日にパリで起きた同時テロ、12月2日にカリフォルニア州サンバーナディーノで14人が犠牲となった銃乱射事件を受けてのことだ。
 銃乱射事件では、射殺された容疑者夫婦のうちパキスタン出身の妻がイスラム過激派思想に近く、事件前に友人に「ジハード(聖戦)」という言葉を使ったメッセージを送っていたことなどが判明。当局は「テロ事件」と判断した。
 事件のあおりで、米国内の対イスラム感情は一気に悪化している。カリフォルニア州ではイスラム教寺院(モスク)への放火容疑で23歳の男が逮捕されたほか、モスクへの落書きなどが相次いでいる。
 トランプ氏の言葉はソーシャルメディアなどを通じて2万回以上シェアされ、街には「反イスラム」のメッセージを表現したTシャツや車のステッカーがあふれている。
 こうした行為に最も傷ついているのがイスラム系住民の子どもたちだ。「学校で『未来のテロリスト』と呼ばれた」と不登校になったり、「軍隊が家族を逮捕しに来る」と怯(おび)える子どもが全米各地で報告されている。
 攻撃対象になりやすいモスクでは、礼拝に訪れる人を守るために武装した警備員を配置するところも出始めた。最も警戒を強めているのは、トランプ氏によって、2001年の「9・11同時多発テロ」を祝うパーティーを開いていたと指摘されたニュージャージー州のイスラム教徒たち。自衛のため催涙ガスなどを準備する家族もいるという。
 オバマ大統領は「米国内のイスラム教徒は、もっとイスラム国(IS)に抗議の声を上げるべきだ」と語っているが、大統領が提唱した「シリア難民1万人の受け入れ」も自治体の拒絶が激しい。「自由と正義の国」の真価が問われている。
(土方細秩子)

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