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産経新聞前ソウル支局長に無罪

2016年1月 3日号
『産経新聞』の加藤達也・前ソウル支局長(49)が、記事で朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)したとして韓国の民間団体が告発、韓国検察に起訴された裁判。ソウル中央地裁は12月17日、「大統領の名誉を傷つけたが、記事は公的な関心事として書かれ、中傷する目的があったとは認められない」などとして無罪を言い渡した。
 実質的に国家権力のトップが海外メディアを訴えた裁判は、安倍晋三首相も強い関心を寄せていた。3年半ぶりの首脳会談が実現したとはいえ、決して良好とはいえない日韓関係の中、判決次第ではさらなる関係悪化も考えられたため、無罪判決には両政府とも安堵(あんど)しているようだ。
 だが、無罪判決に浮かれてばかりもいられない。前支局長の記事は、2014年4月のフェリー沈没事故直後の朴大統領の行動について男性との密会説などに触れたもの。ただし、公人の中の公人である大統領が、自らに関する報道が気にくわないからと、告発から起訴に至るまでの過程を放置したこと自体、「言論の自由」を掲げる民主国家としてあってはならないことだ。
 韓国全国紙『ハンギョレ』東京特派員の吉(キル・)倫亨(ユンヒヨン)氏は、
「韓国検察が政権の意をくんで起訴したことが、世界中で韓国の評価を落とすことになった。無罪は当然のことだ。前の李明博(イ・ ミヨンバク)政権以来、検察が時の権力におもねるような捜査・起訴が増えた」と解説する。
 また、ソウル在住で台湾人ジャーナリストの楊虔豪氏は「日韓の外交問題になったことで、韓国に内在する権力による言論の自由に対する侵害といった問題が薄まってしまった」と指摘。「安倍首相や日本政府がこの問題に強く関与しなければ、無罪判決は出なかったのでは」(楊氏)と読む。実際、韓国外務省は「問題の善処」を裁判所に要請している。
 今回の韓国のような行動がいかに世界の評判を落とすかを、日本の権力者も肝に銘じるべきだ。
(浅川新介)

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