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安保法整備の"根拠"も揺らぐ イラン核交渉「最終合意」成立

2015年8月 2日号
 日本で安倍晋三首相が安保法制の成立を急ぐ中、一つの合意が結ばれた。イランの核開発に関するものだ。
 7月14日、イランと6カ国(米英仏露中独)との間で「包括的共同行動計画」と名付けられた合意は、2002年にイランの核開発計画が発覚して以降、ようやく導き出された。
 合意内容は、イランが高濃縮ウランや兵器級プルトニウムの製造を10~15年間しないこと、低濃縮ウランの保有量を現在の30分の1に減らすことなど。これにより、イランがもし合意を破ったとしても、核爆弾1発の製造に最低1年はかかる、という計算だ。
 同時に、あらゆる核関連施設で国際原子力機関(IAEA)の査察が可能になること、合意の履行が確認されれば、イランに科されているほとんどの経済制裁を解除することを盛り込んだ。これは、経済苦に悩まされてきたイラン国民にとっては最大の効果となり得るだろう。
 日本にも合意による恩恵はある。経済制裁が解除されれば、イランによる原油輸出が、日量70万から80万バレル増えるとの見方が支配的だ。となると、原油価格の下げ圧力が高まることになる。他方、米国、イランの対立が激化し、イランによるホルムズ海峡封鎖を、安保法案が想定する緊急事態の最上位に掲げてきた安倍首相の前提は崩れる。
 日本へ向かう原油の8割が同海峡を通るため、日本も国際社会と連携して必要な行動を取るべきだ、との論理が安保法制整備の拠(よ)りどころとなっていたが、今回の合意が具現化すれば、海峡封鎖の根拠は一気に薄れてしまう。
 そもそも、ホルムズ海峡の封鎖には、当事国となるオマーンとの関係や、そもそもイランが封鎖するのかなど、「実は非現実的な想定」(防衛省関係者)との指摘が多かった。国民に十分な説明もできず、強行採決に踏み切った安倍政権の強引さが、合意によって浮き彫りになったとも言えそうだ。
(浅川新介)

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