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世界遺産委員会で"日韓紛糾" 残る「後味の悪さ」

2015年7月26日号
 日本が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会に推薦していた「明治日本の産業革命遺産」の登録が決まった。だが、登録を巡る日韓の対立は最後まで続き、結果的に韓国の「百済歴史遺跡地区」と相互の案件が登録されることになったものの、両国民にとって後味の悪さを残すものになった。
 6月21日の日韓外相会談では「(世界遺産の)登録に向けて互いに協力する」ことで一致、登録を決定する世界遺産委員会で揉(も)めることはない、と誰もが思っていた。
 ところが、フタを開けてみれば、合意していたはずの内容で、韓国から食い違う指摘がなされた。焦点は「forced labor」の単語、つまり戦時中の強制労働があったかどうか、だ。
 強制労働は国際労働機関(ILO)の条約で禁止されているが、戦争中の徴用は例外とされる。当時は日本の植民地支配の時代であり、戦時徴用は強制労働には当たらない、とするのが日本の論理だった。さらに、徴用を含むすべての賠償問題は日韓基本条約(1965年)で、「完全かつ最終的に」解決済みだ。ただ、韓国では、当時徴用された韓国人に対し日本企業に賠償を命じる判決が出ている。慰安婦問題を含め、「強制された」との点を強調しておかなければ、韓国側は国民に顔向けできなかったのだろう。
 結局は「forced to work(働かされた)」との表現に落ち着いたが、韓国側は日韓外相会談当時、「日本側が一部の産業遺産で徴用があったことについて言及することで合意していたと考えていた」(韓国政府関係者)ようだ。強制労働ではなく徴用という点は、「韓国側にきちんと伝えてある」(岸田文雄外相)というが、真意が伝わっていたのかどうか、との疑問は拭いきれず、外務省の詰めの甘さを指摘する声もある。
 不要で不毛な対立からは何も生まれない。
(浅川新介)

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