国際詳細

News Navi
loading...

銃の悲劇減らす「スマートガン」 米国で普及しない"根深い"

2015年7月 5日号
 スマートフォンにスマートウオッチ......日常生活に欠かせないIT技術を駆使した最新の製品群。では、「スマートガン」をご存じだろうか。
「ガン」とはもちろん銃のこと。「物騒な」と思われるかもしれないが、実は既に製品化されている。独の銃メーカーが開発した「アーマティックスiP1」なる銃、「オーナーがデジタルロック式のリストバンドを装着した状態でしか発射できない」という。
 これなら、子どもが親の銃を持ち出して誰かを撃った、あるいは盗難にあった銃が犯罪に使われる、幼児が遊んでいるうちに家族を誤射した―などの悲劇は防げる。
 ところが、米国ではこの銃を販売する動きは皆無という。「銃を所持するのは国民の権利」と考える団体が、こうした銃の開発、販売に強く反対しているためだ。団体は「スマートガンは政府による銃規制、所有者への管理を強め、憲法で守られた米国人の権利を損なう」と訴える。
 米国では1990年代、コルト社が同様の銃開発に乗り出したことがあった。しかし、結果は銃愛好家によるコルト製品の大規模なボイコット運動を招いただけだった。2000年にはスミス&ウェッソン社が当時のクリントン政権の意向を受け、「すべての銃にハイテクの安全装置をつける」と発表したが、やはりボイコット運動が起き、同社は一時倒産の危機にまで陥った。
 独製のスマートガンは昨年から米国でも販売が始まったが、取り扱う銃砲店には「焼き打ちをかける」などの脅迫が相次ぎ、ついには販売を諦めざるを得なくなったという。脅迫を受けた店主の中には、飼い犬を殺害されたケースまであるという。
 年間3万人以上が銃犯罪の犠牲になり、600人以上の10代が親の銃で自殺する米国。銃規制推進派は「せめてスマートガンの導入を」と訴えるが、狂信的ともいえる銃信仰者の壁を打ち崩すのは容易ではなさそうだ。
(土方細秩子)

政治・社会

くらし・健康

国際

スポーツ・芸能

対談

  • 艶もたけなわ

    橋本マナミ 女優

    2017年6月18日号

    阿木燿子の艶もたけなわ 157   かつて、"愛人にしたい女性ナンバーワン"のキャッ...

コラム