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裏メニューで「クジラ肉」提供 米国で寿司職人らに有罪判決

2015年6月 7日号

 和歌山県太地町の伝統漁法、イルカの追い込み漁などを題材に「クジラを食べる残酷な日本人」のイメージを世界に知らしめた米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」(2009年)。この映画のスタッフが、ロサンゼルスの寿司(すし)店で隠し撮りした映像がシェフの逮捕にもつながっていた。

 映画公開の翌年、「クジラの寿司を販売している」として摘発を受けたのは、当時サンタモニカ空港内の人気レストラン「ザ・ハンプ」。"裏メニュー"としてクジラ肉の寿司を提供していたとして米国籍の寿司職人らが検挙され、今年5月、連邦地裁はシェフに対して罰金5000ドル(約60万円)と保護観察2年、200時間の公共奉仕活動を命じる有罪判決を言い渡した。
 映画のスタッフが裏メニューを店内で隠し撮りし、連邦捜査官が顧客を装って入店。寿司を持ち帰ってDNA鑑定したところ、米国では「絶滅の危機に瀕(ひん)した種」として捕獲が禁じられているイワシクジラの肉と判明した。米国ではクジラを食べること自体が禁止されている。
 摘発を受け、レストランは閉店されたが、寿司職人は在宅のまま起訴されたため、その後も別の会員制レストランを開店していた。会員制のため、どんなメニューが提供されていたのかは不明という。
 米国でクジラの肉が売られていた、とショッキングなニュースとして報じられた事件だが、クジラを食べることの是非は論点とならず、「米国で禁止されている食品を販売した」という点が争点となった。刑事事件ゆえ当然といえば当然なのだが、このためクジラの入手ルートなどについては捜査が進んでいない。
 折しも日本では、水族館のイルカの入手方法などが国際問題となっている。事件をきっかけに、なぜ欧米は日本をはじめとするクジラ食文化にヒステリックなまでに反発するのか、という本質に迫る議論を期待したい。
(土方細秩子

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