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青い空白い雲
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幾らなんでも「ローン地獄が百歳まで」なんて真っ平だ!

2020年11月 1日号

牧太郎の青い空白い雲/788

 中年に差し掛かったセガレが心配だ。

 2人のセガレはすこぶる健康。優良企業で生き生きと働いている。孫も1人は「外資系の企業」に勤め、2人は理科系の大学で学んでいる。まあ「言うことなし」の人生だが......新型コロナ不況が深刻!と聞けば、彼らの勤め先は大丈夫か? ちょっぴり心配だ。

 2020年度上半期(4~9月)の全国企業倒産件数(負債額は1000万円以上)は3858件。前年同期比9・3%減。東京商工リサーチの調べでは、過去30年間で最少だという。

 心配することもない!と思っていたが、近くの信用金庫の人は「裁判所が新型コロナで業務を縮小。破産の法的手続きができず、5月の倒産件数がゼロに近かったんですよ。10月以降、間違いなく倒産が増えるでしょう。この辺りの中小企業は政府の実質無利子・無担保融資を受け生き延びていますが、いずれ返さなければならないし......」と冷静に分析する。

 3年間は無利子(1・7%の利子は政府が金融機関に払う)だが、その追加融資は難しいらしい。

「だから、どこも冬のボーナスはゼロでしょう」

 ボーナスが出ない?となると、セガレは住宅ローンが払えるのか? 住宅ローン、カードローン、自動車ローン、学費ローン......サラリーマンの大半がローンを抱えている。

 そういえば後輩が「コロナで残業代が無くなってローンの支払いが苦しい」とこぼしていたが、〈新型コロナ禍→ボーナスゼロ→日本中がローン地獄〉となると、どんなことが起こるのか?

 返済期限を延ばすしかないだろう。例えば3年間とか、5年間とか「利子だけ払い」ということか。

 それでなくても、最近は定年退職後も住宅ローンを返済し続ける高齢者が増えた。住宅金融支援機構のデータでは、20年度に契約した利用者が完済する年齢は平均73歳。晩婚化で住宅を購入する時期が遅れたからだろう。ある銀行は「80歳完済もの」を売り出している。

 高度経済成長期の昔、多少背伸びして住宅を購入しても大丈夫だった。土地価格の上昇、年功序列の給与体系、終身雇用の雇用形態の三つの理由で大丈夫だった。

 60歳時点で、退職金で一括返済。60歳からは公的年金が支給された。「老後」は楽だった。

 それが「年功序列」「終身雇用」が無くなり、退職金は減る。公的年金の支給開始も現時点で65歳......その上、コロナ不況で「利子だけ払い」となると、完済時期は限りなく「百歳」に近くなるのではあるまいか?

「ローン地獄百歳時代」が見えてきた。日本は大丈夫か?

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