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青い空白い雲
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夜の街では「ただの風邪」でも"GoToキャンペーン"は不発?

2020年8月 2日号

牧太郎の青い空白い雲/776 

 もう古い話になってしまったが、都知事選で「新型コロナウイルスはただの風邪です」と訴えた国民主権党党首・平塚正幸さんのことが気になっていた。

 彼の言い分は......「新型コロナは季節性のインフルエンザと比べても感染者数は少ない。噓(うそ)を流すメディアこそ病原体です」。

 なるほど。日本の「新型コロナ感染症の死亡者数」は(今の時点では)事故死より、自殺より、インフルエンザ死亡より少ない。メディアの「大袈裟(げさ)報道」に飽き飽きしているから、平塚さんの意見を一方的に否定することもできない。

 事実「夜の街・新宿」の若者たちは「ただの風邪」と思っているらしい。ホスト稼業は「生きるために」感染リスクを負い、揃(そろ)って感染する。が、大半が軽いか、無症状だ。「夜の街での感染者急増」に慌てることはない。

 どうやら、政府の中でも感染症を比較的に過小評価して、経済を優先する向きが多くなったのだろう。例の「Go To トラベル」キャンペーンも前倒しになった。

 国内旅行の代金半額(1泊につき最大2万円)を補助したり、キャンペーン期間中に対象の飲食店を利用した人に最大1000円分のポイントなどを付与する仕組み。「大盤振る舞い」である。

 予算はナント1兆6794億円。国を挙げて「ただの風邪」だから大丈夫! 旅行しようよ!というのだ。

 確かに、コロナ禍で冷え込んだ旅行・飲食業界を助けなければならない。(東京商工リサーチによると、6月の倒産は780件。宿泊、飲食業を含むサービス業が24・1%増の278件)だが、そう簡単にいくのだろうか?

 政府のコロナ対策はいつもチグハグ。役に立たないアベノマスク?「一律10万円」もまだ当方の手元には届いていない。一番大事なPCR検査体制も政府目標の「1日2万件」には程遠い。「そんなことやっている場合か!」という意見もあるだろう。

 タイミングが悪すぎる。

〝お上〟に従順な日本人である。旅行に行け!と言われれば喜んで行く。だが、日本人は同時に「周りからどう見られるか?」という世間体(=同調圧力)を気にする気質も持ち合わせている。

 例えば「マスク」である。人々は感染を避けるためだけではなく「感染防止に参加しています!」という〝振る舞い〟をアピールしているのだ。

 ちょっと前、営業自粛をしない人々を攻撃する「自粛警察」が話題になった。日本は「妙な正義感が暴走する国柄」なのだ。

 感染者が急増して「2波」「3波」が取り沙汰される中、(いつ実施するにしても)日本人は「安上がりの旅行」を選ぶだろうか?

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