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青い空白い雲
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「なぜ君は総理大臣になれないのか」を山本太郎が見たら?

2020年7月26日号

牧太郎の青い空白い雲/775

 「ポレポレ東中野」は東京都中野区内で唯一の映画館。客席が少ないのにスクリーンは大きく「客席1席あたりのスクリーン面積」が日本で最も広い。

「BOX東中野」という名前だった頃から一貫して、優秀なドキュメンタリーや新人作家の作品ばかりを上映する。〝売り上げ無視〟の経営方針で、今にも潰れそうな雰囲気がプンプンである。

 雨の金曜日、ちょっと話題の映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見に行った。観客16人。普通より「入り」が良かった。

 このドキュメンタリーの主人公は現職の衆議院議員・小川淳也さん、現在49歳。東大卒。1994年、自治省に入省。沖縄県庁、春日井市役所などに勤務していたのだが「官僚では社会を変えられない」と思い、家族の反対を「このままでは死んでも死に切れん」と説得して、2003年、衆院選に出馬したのだが......あえなく落選した。

 その頃から、知り合いの映画監督・大島新(あらた)さんが「地盤、看板、カバン」なしの「小川流」を撮影し続けていたのだが......その後、主人公は「落選!でも比例復活当選」を繰り返し、この間、民主党→民進党→希望の党→無所属→立憲民主党を渡り歩いた。

 19年の国会で「アベノミクスの成果を偽装するために勤労統計を書き換えたのではないか?」と質(ただ)し、推理ドラマのような展開が話題になり、ネットで「統計王子」と呼ばれたこともあったが、要するに「並の議員」である。

 17年の総選挙では「希望の党」のドタバタに翻弄(ほんろう)される。小池百合子代表への不信感から無所属での出馬も考えたのだが、盟友への仁義というジレンマに悩まされる。気がつくと、小川さんは「総理大臣にもっとも遠い存在」になってしまっていた。

 世襲でもない、地元の大企業の一族でもない、理想に突き動かされ、自転車で駆け回ったが......結局、権謀術数の狭間(はざま)で苦悩する。

 彼は「政治家は国民に信用されていない。しかし、政治家も、国民を信用していない」と語る。

 主人公の小川さんは完成した「なぜ君は総理大臣になれないのか」をまだ見ていない。見たら何と言うのか?

 野党統一候補が実現できず、東京都知事選で完敗?した「れいわ新選組」の山本太郎さんに、この映画を見てもらいたい。

 1%ぐらい総理大臣の可能性がありそうな彼はどう思うのか?

 今の日本は「馬鹿(ばか)丸出しの二世三世議員」の天下。政治の劣化はそこに原因がある。

 それを変えるには「非世襲議員連盟」を作るしかない!と当方は思うのだが。

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