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青い空白い雲
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死者12万人のアメリカは〝コロナ戦争〟に敗北!日本は?

2020年7月 5日号

牧太郎の青い空白い雲/772

 各地で「コロナより恐ろしいこと」が起こっている。

 アメリカでは、黒人男性が白人警官に殺されたことに対する激しい抗議行動。トランプ大統領は「軍を出動させる!」とまで言い出した。

 単細胞の大統領様の頭にあるのは「反乱法」。この法律には「大統領が連邦法の執行が不可能!と判断すれば、州知事の承認無しで連邦軍を出動できる」とある。

 大騒動の原因は? 多分、アメリカが「コロナ戦争」に敗北したからだ。今、死者、約12万人。ベトナム戦争の戦死者5万8000人を大きく上回り、第一次世界大戦の戦死者11万7000人(この数字には、当時、大流行した「スペイン風邪」による死亡者も含まれている)を超えた。〝コロナ戦争〟は歴史に残る「大敗」なのだ。

 アメリカ人はいら立っている。コロナでの失業者約4200万人。コロナより恐ろしい事態が起こっている。

    ×  ×  ×

 日本はどうだろうか?

 安倍晋三首相は「コロナに勝った!」と言わんばかりだが、そうだろうか?「人口100万人当たり」の日本の死亡者数は東アジア諸国では一番多い。

 首相や都知事は「3密」とか「ステイホーム」とか、かなり非科学的な言葉を駆使しているが、緊急事態宣言解除後も、ステイホームができない病院、高齢者施設など社会インフラを支える人たちに「隠れ感染者」が急増。夜の街では「隠れ」が「本当の感染者」としてカウントされた。

 問題は「不十分な検査体制」にある。これまで政府はPCR検査を諸外国に比べて極端に少なく抑えてきた。これが裏目に出た。

 感染症対策の基本は「感染者はどこに集まっているのか?」を見極めること。感染集積ゾーンと非集積ゾーンの「区分」がなければ適切な対策はできない。「検査」がイロハだ。

 ところが、専門家の一部は「PCR検査を大量に実施すれば医療体制が崩壊する!」と暴論を振りかざした。「検査」をしない。だから感染者数が少ない。人々は大本営発表の「感染者数」を信じていない。

 安倍政権は日本列島「一律自粛」「一律ステイホーム」を選んだ。一定の効果はあったが、約2カ月間、経済はストップ。休業に追い込まれた人々は青息吐息。失業者は今日も明日も増え続ける。

 日本は「コロナ戦争」で苦戦している。専門家、研究者のまっとうな意見が「政治の都合」でねじ曲げられているとしたら......日本も「コロナより恐ろしいこと」に遭遇するだろう。

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