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青い空白い雲
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悪魔の記念日に「消費増税の罠」を覚えておけ!

2019年10月20日号

牧太郎の青い空白い雲/738 

 令和元年10月1日、消費税が10%に増税された。

 "軽減税率"とか"キャッシュレス決済のポイント還元"とか、「子供だまし」で世間を欺き、安倍内閣は「悪魔の消費増税」を強行した。いくら「増税反対!」を叫んでも「手遅れ」......ではあるが、我々は「悪魔の罠(わな)」の裏のウラをしっかり覚えておこうじゃないか?

    ×  ×  ×

 【悪魔の罠・その1】

 大企業優遇の裏のウラ

 日本の法人税率は23・2%。しかし、実態は大分違う。理屈をつけて、大企業は"節税"可能だ。

 例えば超大企業・ソフトバンクグループは税引前純利益1624億2200万円。納税額はザッと500万円。税負担率0・003%である(税制研究の大家・富岡幸雄・中央大名誉教授の近著『消費税が国を滅ぼす』)。

 事実上"納税ゼロ"ではないのか?

 もし、大企業が揃(そろ)って、法人税を「建前通り」払っていれば、ザッと9兆円の増収。そうなれば消費増税は必要ない。消費税率を下げることすらできる。

 なぜ「悪魔の税制」は大企業を味方するのか?

 答えは簡単である。大企業の味方をしているフリをして「悪魔」は日本経済を潰そうとしているのだ!

 もし、消費税率を下げれば家計の消費は上向き、内需は拡大。20年以上もの間、日本経済を停滞させてきたデフレ圧力は解消される。日本再生の見通しが立つのだ。

「悪魔」はその「バラ色の日本の未来」が大嫌い。

 つまり消費増税の裏は「大企業優遇」。そのまたウラは「日本経済の崩壊」。気がつくと「生き残る企業は多国籍企業だけ」ということになる。

    ×  ×  ×

 【悪魔の罠・その2】

 「軍事優先」の裏のウラ

 2020年度予算の概算要求で、防衛費(軍事費)は過去最大の5兆3223億円。それだけではない。複数年度で返済する「兵器ローン」の残高が過去最大の5兆4900億円。第2次安倍政権の7年間で2倍近くに膨張した。

 トランプ大統領のご機嫌取りのために米国製兵器を"爆買い"している限り「兵器ローン地獄」。仕方なく消費増税分は「兵器ローン返済」に使われる。

「裏のウラ」がある。大枚払って手に入れた兵器は役に立たないのだ。例えば「北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するため」という理由で、アメリカが開発した「イージス・アショア」を購入したが、コレは役に立たない。確かにミサイルは検知できるが、ドローンが低空で飛んで来ても検知できないのだ。

 9月半ば、サウジアラビアの石油施設がドローン攻撃を受けたが、今、ドローンの航続距離は約1500キロ。ドローンが世界の軍事バランスを変えたのだ。

「使い物にならない兵器」を買ったツケを払うのが消費増税の裏のウラである。

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 【悪魔の罠・その3】

 「年金存続」の裏のウラ

 消費税が1989年に導入された時「高齢化社会への対応のため」が謳(うた)い文句だった。それから、30年間で税率は3%→5%→8%→10%。3倍以上も引き上げられたのに我々の老後は? 年金だけでは生きていけない。(単純計算でも厚生年金で)年金以外に必要な金額が1500万円から2000万円に増えた。

 日本経済新聞電子版(9月21日)に「ニンジンの皮もおいしく! 増税に勝つ食べ切り術」という記事が載った。

〈食べられるにもかかわらず、捨ててしまう食品ロス。消費増税を前に、無駄なく、賢く食材を使い切る工夫を共有しよう。実践している1000人に、効果的な対策を聞いた〉

 消費増税を乗り切るために、切り落とした「ニンジンの皮」を食べよう? これでは戦時中の「欲しがりません、勝つまでは!」と同じである。大手メディアが「我慢」を訴えたのだ。

 この新聞は「消費税率10%後の議論も始めよう」(7月24日付社説)と「さらなる増税」を支持している。

「欲しがりません、消費税があるまでは」である。

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 軽減税率やポイント還元などは「悪魔」そのものだ。

「増税対策」と称して、国家権力と巨大資本が消費者を簡単に操るシステムを構築しようとしているのだ。

 消費税は歪(ゆが)んだ「悪魔の税制」である。「不平等の税制」である。なのに、令和元年10月1日、我々は「悪魔の税制」に敗北した。

 無念である!

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