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青い空白い雲
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「世論調査」を妄信する日韓の指導者が国を滅ぼす!

2019年9月15日号

牧太郎の青い空白い雲/733 

 最近「世論調査」が信じられなくなった。
 8月17、18日に実施された共同通信世論調査。政党支持率は―
自民党40・9(+3・9)
立憲民主党10・0(-3・5)
公明党5・1(+0・5)
れいわ新選組4・3(+2・1)
共産党4・3(-1・0)
日本維新の会3・8(-3・0)
国民民主党1・4(-0・3)
N国党1・3(+0・3)
社民党0・7(±0・0)
 参院選で躍進した山本太郎の「れいわ新選組」が共産党と並んで4・3%。特別、伸びている。
 ところが、同じ日に行われたANN世論調査の政党支持率は―
自民党44・3(+5・0)
立憲民主党10・0(-0・3)
日本維新の会5・4(+0・3)
共産党4・5(-0・2)
公明党3・9(-1・0)
国民民主党2・1(+0・5)
社民党1・0(+0・3)
N国党0・9(新規)
れいわ新選組0・8(新規)

 ここでは、大躍進のはずの「れいわ新選組」は0・8%で、最下位である。どちらの「数字」を信じたらいいのか?
 8月25日投開票の埼玉県知事選。当初の世論調査では自民・公明が推薦したスポーツライターの青島健太氏がトリプルスコアで圧勝する!という予測だった、ふたを開けて見ると、立憲民主など野党4党が支援した元参院議員の大野元裕氏に6万票近く差をつけられ、いとも簡単に破れてしまった。
「世論調査」は絶対!ではない。
    ×  ×  ×
 統計学を利用した世論調査の手法を確立したジョージ・ギャラップは「私は神の存在を統計学的に証明できる」と豪語した。だが、統計学は信じられても、人間さまが質問する「世論調査」の結果は時に大きく変わる。
 例えば、質問文の前に「黒い交際が噂(うわさ)される○○候補ですが」などといった「ネガティブな前書き」をつければ結果は大分違う。設問文によって回答は変わる。
「重ね聞き」というのもある。「よく分からない」や「無回答」などと答えた人に「強いて言えば」「どちらかと言うと」などと重ね聞きする。「はい」か「いいえ」に誘導するのだ。「重ね聞き」をするかしないかは、メディアによって違う。だから「数字」はメディアによってガラッと変わる。要するに「世論調査」には時に「偏り」があるのだ。
    ×  ×  ×
 戦後最悪と言われる日韓関係。元徴用工訴訟に端を発した「対韓輸出規制」にブチ切れた文在寅(ムン・ジェイン)政権が「GSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄」を決めた背景にも「世論調査」が深く関係する。文政権は「世論調査」の結果を重視して「世論は反日外交を支持している」と判断したのだろう(最近の8月26日の韓国世論調査で、韓国政府がGSOMIAの破棄を決めたことに「支持する」と答えた人が半数以上)。
 しかし、韓国の人々は反日なのか? そうだとしても、少なくとも、文政権が目指す「反日・離米・従北・親中・親ロ」の路線を手放しで支持しているわけではない。事実、同じ世論調査で、文在寅大統領の「不支持」は50・4%だ。
 外交は「自国の世論」だけでは解決できない。歴史問題を経済問題に発展させ、安全保障にまで踏み込むのは「おっちょこちょい」ではないか?
    ×  ×  ×
 安倍首相も「世論調査」を妄信してはいないか?
 読売新聞社が8月23~25日に実施した世論調査で、安倍内閣の支持率は58%。前回(7月22~23日)調査の53%から5ポイント上昇した。「強い反韓政策」が支持されている、と見ることができるかもしれない。でも、外交は相手があることだ。「向こうがやったから、こっちもやるぞ」では「ガキのケンカ」じゃないか?
 安倍政権は参院選直前に「半導体素材3品目の輸出規制」を打ち出すなど、世論の反韓感情をあおる「手」を使った。その結果、とりあえず「世論形成」に成功したかに見えるが......日韓関係はさらに泥沼化して、日本経済にも痛手になっている。
 冷静になってくれ!
「世論調査」の結果は「その日その日の出来心」。当てにならないのだから。

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