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青い空白い雲
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大河「光秀」が流行りの"令和クーデター"に火を付ける!

2019年8月18日号

牧太郎の青い空白い雲/730 

 8月も半ばを過ぎると、テレビ業界は「年末年始の話」ばかりになる。NHK大河ドラマもその一つだ。

 今年の「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)」は"日本でオリンピックに初参加した男"金栗四三と"オリンピックを日本に呼んだ男"田畑政治―この二人を主人公に明治、大正、昭和の変遷を描いている、あえて言えば時代遅れの「スポーツ根性もの」。東京五輪の前年という絶好のタイミングだったが、どうやら"期待はずれ"で、今や「年間視聴率がどこまで下がるか?」が話題になっているらしい。

 ひょっとしてこの失敗を予測していたのだろうか。「やっぱり、大河ドラマは戦国武将もの!」という意見もあったのか、2020年の大河ドラマは昨年春の段階ですでに、明智光秀の一生を描く「麒麟(きりん)がくる」に決まっていた。

 タイトルにある「麒麟」とは、仁政を行う王の元に必ず現れる伝説の動物のこと。戦国の世に「麒麟」は存在したのか? 存在したとすれば、それは誰なのか?

 そんな筋書きで、明智光秀の謎の生い立ちにスポットを当て、「権力争い」の裏側を描く。もちろん、光秀が主人・織田信長に謀反する「本能寺の変」が最大の見せ場になるだろう。

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 織田信長は天正10(1582)年、徳川家康との連合軍で、甲斐の武田勝頼を破り、残るは中国地方の毛利一族。信長にとって「天下布武」は目前だった。

 5月17日、光秀は信長から「備中の毛利勢を討て!」と命じられる。それから10日後、光秀は亀山城を出て愛宕山に登り、神々を参拝。翌日「ときは今あめが下知る五月かな」と詠んだ。

 その翌日、本能寺に入った信長の手勢は小姓20人余。光秀の軍勢は1万3000人。今しかない!

 光秀は「我が敵は本能寺にあり!」と叫んだ。

 6月2日、夜明け前のクーデターである。信長は「是非に及ばず」とだけ言った。「明智光秀ほどの男が攻めてきたのだから諦めよう」とでも思ったのか。天下統一は一朝の夢。信長、49歳だった。

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 なぜ、光秀は「戦国の1強・信長」に反旗を翻したのか?

 それには「怨恨説」「天下取りの野望説」「信長の非道阻止説」「黒幕存在説」などがある。来年の大河「麒麟がくる」は、どの説を取るのか? 見方によっては、その選択が大河ドラマの「成否」に決定的な影響を与えるだろう。

「本能寺の変」より7年前の天正3年、信長から「丹波攻め」の命を受けた光秀は丹波山頂の八上城を攻め、城主・波多野秀治と激戦を繰り広げた。天正7年、籠城して抵抗する秀治に対し、光秀は「命の保証をするから降伏するように」と説得する。その約束の証しとして、光秀は母の「お牧」を人質に差し出した。

 しかし、光秀との約束を信じて降伏した秀治らを、信長は処刑してしまう。激怒した秀治の家臣たちは「お牧」を松の木にはりつけにしてしまう。

 光秀は「信長の裏切り」を心底、恨んだ―というのが「怨恨説」の根拠である。

 学者の多くが「お牧の悲劇」を江戸時代に追加された「作り話」と見ているそうだが、「麒麟がくる」に、光秀の母の悲話は出てくるのか?

 実は、1996年の大河ドラマ「秀吉」では、野際陽子演じる「お牧」がはりつけになり、槍(やり)で突き殺された場面があった。

 NHKは「史料重視」か? 「視聴率最優先」か?

 話題になっている。

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 反社会的勢力の宴会に所属芸人が参加し、カネを受け取っていた「闇営業」問題で、お笑い帝国・吉本興業が大揺れだ。

「しどろもどろ」の社長さんの記者会見がキッカケで「会長、社長が辞任しなければ辞める」と発言する、なんちゃって「加藤の乱」まで起こった。

 もっとも、この吉本騒動も一種のクーデターではあるまいか?

 参議院選で健闘した「れいわ新選組」「NHKから国民を守る党」なるグループにも「クーデターの臭い」がプンプンする。

「新選組」の山本太郎代表は「4億円を超える寄付金」を集め、比例区で220万票以上獲得した。衆院選で安倍1強に挑む。

 令和になってから、クーデターもどきの社会現象が続いている。その上、叛逆(はんぎゃく)ドラマ「麒麟がくる」がヒットするとなると......令和クーデター現象の連鎖で「安倍1強政治」の運命も分からない。

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